OBT 人財マガジン
2009.01.14 : VOL59 UPDATED
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日本は本当に変われるのだろうか?
米国の金融危機、世界的株安、自動車の不振、雇用不安等々100年に一度といわれる未曾有の
経済危機に直面して生活の根幹を揺るがすような危機の連鎖の嵐が日本列島にも吹き荒れ、
職場、家庭、地域で閉塞感が一層強まり、大きく転換が迫られる中で日本という国は
一体どこに向かっているのだろうか。
どこに向かって何を変えようとしているのか全くわからない。
"変わらなければいけない"と言ってはいるものの政治家も官僚も"日本という国をどこに向けて
変えようとしているのか""この国を一体どうしようとしているのか"全くビジョンを示していない。
官僚主導による政策決定の在り方を変えたといっても官僚は答弁に立たなくても
官僚出身の政務次官が大臣に代わって答弁しているだけである。
変化するという体裁は取り繕っていても実際は、政治家と官僚は絶えず駆け引きしていて
お互いにただただサボタージュしているだけなのである。
大きな既得権益を握っている政治家や官僚は本来改革なんて無関心なのである。
この国の将来に夢が持てない若い人達をたくさん輩出しているという事態は、
まさに政治の責任以外の何物でもない。
出口の見えない、日本という国の競争力の低下と衰退は、何も今始まったことでは決してなく、
ずっと以前から存在していた"巨大な既得権益の存在が政治・経済を行き詰らせてきた"のである。
日本が工業超大国となることを目指した国づくりは、一貫して"作り手重視""生産者重視"という
政策を推し進めてきた。
このことが非常に大きな既得権益を作ってきたのである。
日本の政治は相変わらず特定利益集団の要求を優先し、一般庶民の利益は後回しである。
その結果、一般庶民は住宅ひとつとっても常に我慢を強いられてきたのである。
日本が本当の意味で変わるためには、生産者優先の社会から一般庶民優先、消費者優先の
社会に本質的に変えなければならない。
一般庶民優先、消費者優先の社会を実現するためには、日本人の大方が"自分はそうである"と
認識している"中流階級が政治的に影響力持つ政治的に重要な存在"にならなければならないのである。
現在の経済危機、不況が回復すればこれまでのように全ての問題が解決したかのように
感じることを繰り返しているだけでは構造的な問題の解決はただただ先送りされてしまうだけで
何時まで経っても本質的には何ら変わらないのではないだろうか。
この国の将来のために、日本という国を本質的に変えようとするならば、
我々中流階級が政治家任せではなく、まず積極的に政治に関与していくことが重要なのである。