OBT 人財マガジン
2008.10.29 : VOL55 UPDATED
-
与えられた自分の役割を全うすること
衆議院解散が囁かれているが、
2006年9月26日 安倍首相就任
2007年9月26日 安倍首相辞任
2008年9月24日 福田首相辞任辞任を決意した真意は公には報道されていないのだろうが、それぞれ約1年で首相の座を辞したことは事実である。「投げ出した」ように映った辞任であった。
どんな人でも大方、役割を持って生きている。
上司としての役割、親としての役割、町内会の役員としての役割、親友としての役割等・・・・。誰でも時として「こんなこと、やってられない」と投げ出してしまいたくなることがある。
虚しくなってしまったり、腹立たしくなっていくと行き先はひとつしかない。「やめさせていただく」
投げ出せば、さぞ晴れ晴れとした気持ちになれだろう。
自分自身のことが大事だから、役割にがんじがらめになって疲れきってしまっている自分を解放したくなる。ある意味でこれは極めて自然な感情であろう。
このような人は、「やりたくないことを投げ出す=やりたいことが実現できる」という極めて単純な方程式を
信じ込んでいるのであろう。
「辞表を叩きつけて辞めてやった」としたり顔で言う人がいるが、それは不満のある会社を退職し、
また別の会社に就職する。しかしこれをいくら繰り返しても、結局自分が期待するような満足感は、
決して得られないのである。
やりたいことを実現するには、それなりの努力が必要なのにどうもこれが理解できないのであろう。
「自分に与えられた役割を投げ出してしまった自分を、本当に善しとできるだろうか?」
「そんな自分を本当に心から愛せるだろうか?」人間にとって「自分が大切」であると同時に「与えられた自分の役割を全うすること」も同時に極めて大切なことである。
「人間は役割を持って生き」、「役割を通して」「自分を成長させていく生き物」である。性急に自分の役割を投げ出してどこかへ行ってしまうのはやめた方がいいということである。
何かの縁があって自分に与えられた役割であるぜひ大切にしたいものである。