OBT 人財マガジン
2008.04.23 : VOL44 UPDATED
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揺らぎやプレッシャーにより露呈する企業や人の本質的な姿!
ここ最近、謝罪が日本中の至るところに溢れている。
不祥事の発生や隠匿が露呈したことによる企業の謝罪、有名スポーツ選手の謝罪会見等マスコミの報道や識者の間での議論等枚挙に暇がないほどである。
例えば、前代未聞の意図的反則作戦でボクシングコミッションから処分された亀田一家。
そして謝罪会見での真意を問われた朝青龍等マスコミや識者の間で議論を呼び起こした。
また、かってのライブドアの堀江氏の場合も同じようなことがいえる。
問題や不祥事発生時の対応も様々であり、反省の程度や深さ等もそれぞれ異なる。
然しながら、ここで理解すべきは、いずれの場合でも共通することは"人間や組織を測る価値はその人間や組織が批判にさらされた時、プレッシャーにさらされた時或いは追い詰められた時に"その人間や組織がどのような態度をとるか"で決まるということである。
"平常時のうわべの言葉や発言はどんなに素晴らしいものであったとしてもほとんどの組織も人間も土壇場ではそれぞれの本質に正直にしか行動できないのである。
土壇場や追い詰められた状況で始めてその組織やその人間のレベルや本質或いは力等が露呈"する。
要は、これまで分からなかったその人やその組織の実態が浮かび上がってくるのである。
皆、マスコミや世間から時代の寵児のようにもてはやされ有頂天になって周りが見えず軌道を踏み外したものである。
誠実さをおき忘れ不祥事を噴出させる人間も企業もほとんど大差はない。
周りに戒めるものがいなかったというと不幸ともいえるが自らを律することが出来なかった故のことであろう。
また、ビジネスも全くこれと同様のことがいえる。
今までやっていたことをそのまま継続的に繰り返していれば、破綻もしないし、大きな変化もないように見える。
しかし、時々プレッシャーやゆらぎを与えることによって、実は今まで見えなかった問題が表面化してくるのである。
例えば、客数の増加を意図して価格引き下げる。
しかし、客が増えてもそれに店のサービスや体勢等の質的面がついていかなければ、逆に評判を落とし客離れにつながる。
安売りをしたら店のシステムがパンクする。
店の体勢システムがパンクするのは、店の仕組みの中に問題点が数多く隠されているからである。
隠されている問題は、プレッシャーや揺らぎに遭遇してはじめて露呈するのである。
そこにまさに、その組織の、その人間の実態が象徴されているのである。
価格引下げを通じて、企業の体質やシステムを変革する。
吉野家の価格引下げはまさにそうした事例なのである。
繰り返しになるが、これは不祥事を起こしている企業組織、問題を起こしている人間にも全く同様のことがいえる。
従って、組織も人も時折、揺らぎやプレッシャーを通して組織体質や自らの甘さと向き合い引き締めを図ることが重要となろう。