OBT 人財マガジン
2008.04.09 : VOL43 UPDATED
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顧客とは何か!
今の世の中でカスタマーフォーカスとか顧客満足といった用語を使用していない企業は存在しないだろう。
しかしながら、そのほとんどは"お客が大事"というが如き精神論に終始していてしまっているというのが現状であろう。
その根底には、売り手や作り手と顧客との間に情報格差があった時代の売り手優位、
作り手優位のパラダイムが未だ根底にあるのであろう。
しかしながら、情報革命により顧客が情報や知識を豊富に持ち始めた現在、
かつてのような売り手優位の状況は成立せず、
ビジネスの在り様も根底から変革を迫られているというのが現在であろう。
市場が客観性を増し透明化が進むということは、
取引の主導権や主体が間違いなく買い手である顧客側に移るということを意味する。
ビジネスの主導権や主体が顧客に移転していくということは
これまでの単なる"顧客が大事"或いは"顧客重視"等といったレベルの
抽象論では早晩対応できなくなるであろう。
考えて見れば、本来、作り手や売り手に対価を支払う顧客が起点、
顧客が中心であることは当たり前のことである。
作り手である企業も売り手である組織も日々ただただコストしか発生させていない。
社員がいれば人件費、役員は役員報酬、役員室もコスト、事務所もコスト、
生産ラインもコスト、社有車もコスト、会議もコスト、出張もコスト・・・・・。
このように企業や組織というのは誰もこのコストを負担してはおらず、
ただコストを発生させているだけである。
この売り手や作り手のコストを負担してくれているのは、唯一顧客だけである。
顧客のみが企業や組織のコストを吸収してくれる存在なのである。
顧客がコストを負担してくれなくなった企業が衰退していくのである。
当然のことながら顧客の価値観、ニーズ等は時間と共に変化しており、
その顧客を本当の意味で理解をすることが生き残りのために不可欠となろう。
抽象論や精神論でのカスタマーフォーカスではなく、
顧客を中心とした新たな戦略やビジネスモデルの構築を
ビジネスの本質に立ち返って考えるべきではないだろうか。
On The Business Training 協会 及川 昭