OBT 人財マガジン
2007.10.24 : VOL33 UPDATED
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マネージャーの再生は自己の生き方への問いかけから始まる!
昨今「日本企業のマネジャー再生」ということが叫ばれだしている。
-マネージャーの役割-
バブル崩壊後の業績回復過程でマネジャーの役割は劇的に変わり野球で
いえば、打ち、守り、指揮をとりそして責任もとるという形に変わってきた。
また、成果主義で実績を問われるようになり、且つリストラで人員も絞られた
ことにより業務は拡大、従来の管理業務に加えて自ら手足となって稼ぐ役目
も負った。頑張るほど責任が重くなる管理職。
そのプレッシャーに耐えかね、梯子から降りるプレイングマネジャーが
増加しているとのこと。経営陣と社員の結節点であるマネジャーが傷むと組織全体の活力が低下する
という懸念から日本企業のこれからの課題は、130万人のマネジャーの再生
ということが重要テーマとなってきた。-共通した特徴-
仕事柄、毎日様々な業種・業界のいろいろなマネジャーの人達と話し合う
機会が非常に多い。
昨今、そこにはもうひとつ共通した特徴が見受けられる。"我が社の問題""仕事の問題""部下の問題"等々その問題点をリストアップ
させると山ほど挙げることが出来るし且つその分析にも非常に長けている。また、自分たちの仕事がうまく進まないのは置かれている状況、事業の特性、
会社の状況、上司のマネジメント等々その要因は自分以外に起因すると
いったような分析も極めて巧みに出来る。然しながら、残念ながらそこには当事者としての視点は全くなくあくまでも
評論家の域を出ない。
要は、自律ではなく極めて状況依存的というのが大きな特徴である。"人生の大切な時間を費やしている仕事に本当にコミットしているのか"
"自分が属している組織に本気で自我関与しているのか"
非常に疑問が残るところである。この種の考え方の人間に限って、
「仕事は仕事、プライベートはプライベート」等と主張し、趣味のサークルや
少年野球の支援或いは町内会活動等といった人と人との関係性によって
心の平穏を保とうとしているのもその特徴である。そこには、自分一人という強さを育み、自分自身を人生の主役として自律
させようという発想は全くない。勿論、人間社会には助け合いが必要である。しかしながら、単に他人ともたれ合い依存しあうだけの関係を築いたところで
病んだ心まで決して治すことは出来ない。出来るのはせいぜい仕事での疲れを癒すという辻褄あわせのレベルであろう。
常に他人の手を借りて他人との関係性に依存しながら生きているのである。
そのためにその力が借りられなくなった時、その関係に依存できなくなった時、
自分を責めることなく周囲や周りを責めているために仕事における意識や能力、
力もレベルアップしない。仕事の面においても業績・成果という面においても自らが組織や周囲に
与えることはせず、周りから与えられることが当たり前という考え方である。
自分の力で生きているのではなく、組織や会社から生かされていると
いうことが自分でわかっていないために周囲からは全く信頼されない。-自律の精神-
自分の体内時計で早起きの習慣を身につけた者は、何時でも早起きする
ことが出来る。
早起きできない場合でも他人にその責任を擦り付けるようなことはしない。そのためにやるべきことをやるように自分を仕向けるようになり、やるべきことを
やり遂げることが出来る。そのような自律的な人間に対して社会は信頼をおき、
その人間も成長発展するのである。組織のあり方や制度がマネジャーを再生させるのではなく、
"自身の仕事との向き合い方や生き方等に対する自分への問いかけ"と
"仕事や組織に対する自我関与の度合い"から全てが始まるのではないだろうか。-キャリアは自分でつくるもの-
自らのキャリアとは組織が与えてくれるものではなく、自らがつくるものであり、
煎じ詰めれば自分の人生を自らの知恵と力を使って切り拓いていくということに他ならない。まさに全ては「人生において自分は何を実現しようとしているのか」
という問いかけに自分なりの明確な解答を持つということに尽きる思う。
それなくして再生なんてとても始まらないであろう。