OBT 人財マガジン
2007.07.11 : VOL26 UPDATED
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意思決定の質を上げるためにリーダーが考えるべきこと!
リ-ダ-の最大の仕事は、意思決定である。
経営ビジョンを掲げ、戦略や計画を立案し、人々を導くという組織行動も突き詰めれば、意思決定の結果に他ならない。
そのような観点で考えると、人間の行動は、おしなべて意思決定の産物といえる。
これほど意思決定というのが、重要な行為にもかかわらず、多くの人の意思決定は無手勝流である。どのような意思決定にもリスクはつきものである。
個人による日常的な判断のリスクは比較的小さいが、一企業という単位ともなれば、その意思決定の影響は善しにつけ悪しきにつけ大きいといえる。リーダーが行う意思決定の結論に対して必ずしも全員が同意する必要はない。
何故なら、人間が大事だと思うのは、単に結果または決定内容ではなく、結果や決定がなされるプロセスそのものだからである。「人間というのは、自分の意見を関係者に聞いてもらいたいのである。意見を聞く、検討の場に参画させるということを大事にしさえすれば、その後に結論なのである」
意思決定が成功するかどうかは、「意思決定の質」と「決定された行内容を推進する際の実効性の関数で決まる」
コンセンサスには重要な要素が2つある。
それは、「決定された内容に対する強いコミットメント」及び「その根拠に対する共通の理解」である。組織の中で方針が浸透しない、経営施策が実効を上げない等いう理由は、方針や施策を打ち出す側が、意思決定のためにとるべき「正しいプロセス」に関心がいかないことに意思決定が成功しない、意思決定が支持されない大きな要因があるのである。
リーダーが最大の関心を払うのは、何よりもまず「正しい意思決定を行うこと」即ち「どのような意思決定をすべきなのか」に固執し、一歩下がって「正しい意思決定を行うためにはどのような方法で取り組むべきか」ということを考えることをしない。
また、「正しい意思決定を行うための方法」として非常に重要な方策のひとつである関係者間でのコンセンサスをとる際にリーダーが考えなければならないことに感情的対立を抑制するということである。
そのために、議論や討議の前に
①基本ルールを定める
「反対意見ははっきり述べる」「同意できない場合でも不愉快な態度はとらない」②役割を定義する
参加者に他人の立場に立って考えさせることにより相手の動機や関心に対する理解を深めさせることが出来る。③認知スタイルの違いを尊重させる
そして、合意形成のために
①目標と目的に合意する
②前提に合意する
③決定基準に合意する
ということ等に関心を持ち労力を費やすということがリーダーとしての意思決定の質を高めるために重要なのではないだろうか。
OBT協会 及川 昭