OBT 人財マガジン
2006.04.10 : VOL UPDATED
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経営とは人財そのもの!
経営革新や組織変革という領域に携わってきて15年になりましたが、ここ数年思いを新たにしていることに、昔から言い尽くされた言葉ではあるがやはり「企業は人なり」「高い業績の根底には高い人の能力がある」「経営の根本は人財である」という点であります。
一般的に、企業や組織における人材を見てみると大きく分けて三層に分けられる。
第一に「出来る社員」といわれている人達で、概ね全体の10%から15%というところである。
この人達は、何をやればどうすれば成果が出るかということをわかっている人達である。第二に「出来ない社員」といわれている人達で全体の20%から30%程度存在し、
この人達はやたら難しいことばかりをしている人達である。第三に「普通の社員」といわれている人達でこれが全体の60%程度を占めるが、
この人達は一生懸命やってはいるものの頭を使っていない人達である。一般的に、人を育てるのが下手な企業や組織というのは、社員に非凡さを求めているが、非凡な人は、組織の非合理さや組織にいることの非効率さを知っているから、初めから組織に入らないか、入ってもすぐ辞めてしまうというのが一般的である。
人事部門等は、このことに気がつかず“非凡な人財を育てたい”“非凡な人財を組織に入れ組織にとどめようとする”が、そのようなことは始めから成立しないのである。
そもそも企業経営とは、「平凡な人を集めて非凡なことを成し遂げる」「普通の人を集めて高い業績を上げる」ことをいうのである。
企業経営の目的は利益を上げることである。これは昔も今も変わらない。
然しながら、利益の上げ方が昔とは決定的に変わってしまっている現在、“平凡の人達を動かして新しい経営スタイルで利益を上げられる体質をいかにして作り上げるか”ということが多くの企業の経営の本質的な課題であろう。“企業は、従業員の力と同じだけしか強くなれない”という企業経営の本質に立ち返って考えるべきであろう。