OBT 人財マガジン
2011.12.07 : VOL129 UPDATED
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ソーシャル・イノベーションから見る事業の在り方
今回の現場ドキュメントは、ある企業の新規事業プロジェクトの勉強会をご紹介します。先日プロジェクトメンバーが学習したのは、ソーシャル・イノベーション。ソーシャル・イノベーションとは・・・地域の抱える社会的な課題(少子高齢化・介護・健康・就労)や環境問題を、ビジネスの手法を使って、新たな価値を創造し、革新的なアプローチで解決していく活動を言い、今回「この人に聞く」でご紹介している、「銀座ミツバチプロジェクト」はその代表的な例です。2000年以降から世界的に広まりを見せるソーシャル・イノベーション。その考え方・概念は企業に「新しい事業の在り方」を示唆しています。『社会貢献』が先、『利益は後』一見、対立するこの二つを切り離さず同時に実現していることが、ソーシャル・イノベーションの特徴の一つ。「銀座ミツバチプロジェクト」の活動も利益を上げながら、銀座に自然をもたらし、現在では地方の地域活性にまで良い循環をもたらしています。そもそもソーシャル・イノベーションが注目された背景の一つに、"行き過ぎた資本主義"があります。自社の利益追求のみが企業活動の目的となり、社会貢献への配慮が放置されてきた事が問題視され始めました。「御客様第一と言っても根本はプロダクトアウトの発想、このことを、顧客は口に出さなくても心で思っているはず。売り手優位の前提に立っていては、いつかは必ず見放されてしまう」メンバーは自社事業の在り方を見つめ直します。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~人と人が共通の思いで"繋がる"また、ソーシャル・イノベーションには、社会的な課題解決を、コミュニティレベルでの"互助"や"共助"で行う特徴があります。「銀座ミツバチプロジェクト」の例をみてみると、田中代表と養蜂家の出会い↓ 地産地消のストーリーの構想↓ 銀座でミツバチ・蜂蜜を題材とした新たな商品が生まれる↓ 銀座の人々の関心がミツバチに集まる↓ ミツバチが住める環境づくりの推進全国へ展開と、共通の思いを持った人達が繋がりそのネットワークが広がっています。この"繋がり"は強制力がなく、参画者各自の主体性で結び付いていることが特徴的。ネットと違って、生身の人と人との結びつきであるため、そこに責任や役割が伴い、より強固な結びつきとなります。根本にあるのは、社会に貢献したい、という「利他の精神」。「我々は本当の意味で顧客側に立って、一緒になって、顧客の望むべきものを実現しようとしているだろうか。どれだけの深さで顧客と"繋がっている"だろうか」メンバーの議論は続きます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~自社の利益追求、効率性追求だけでは、顧客、市場から見放されてしまいます。これから先の時代は「社会との関わり」という大局から、自社事業を位置付けることが求められるのではないでしょうか。
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