OBT 人財マガジン
2011.10.12 : VOL125 UPDATED
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現場力を高めるには
現場が疲弊している、企業全体が閉塞感や停滞感に覆われていると言われ始めて数年。それは、なぜ起こるのか...。今回の現場ドキュメントでは、各部門から集まったリーダー達の生の声をお届けします。まず、今回のセッションでは、初めに各部門のリーダー達が参加した他の部門へ望むこと、『各部門に望むこと』を書いてもらうとこから始まり、お互いが日頃感じている事について話合ってもらった。参加したのは下記の部門リーダー:生産部門、営業部門、開発部門、管理部門そこでは、今までお互いが面と向かって話して来なかった意見や要望が多くあげられた。● 開発部門→営業部門顧客からもっと具体的な情報を収集してきて欲しい● 営業部門→管理部門社員のモチベーションが上がる人事システムを作ってほしい● 生産部門→全部門へもっと生産現場について知って欲しいなど具体的な話がされた。特に生産現場は『生産現場は本部から軽視されているように感じる』『営業部門や開発部門から上がって来る商品は全く生産現場を理解していない』との声があげられた。営業は営業で、顧客のニーズにあった商品を提供したいと考え。開発は開発で、新たな製品を常に考える。しかし、個々でいい物を作ろうという思いがあっても、個人の思いや頑張りが全体から見た時に逆に上手くいかないこともある。つまり、各部門にとっての最適が、全社の最適には決してならないのだ。いくらいいアイディアがあったとしても、実際に製品として形にしていくのは生産(製造)部門である。そこを無視して、アイディアだけではいい商品は作れない。生産は生産で、ただ物を作っているだけの現場ではなく、効率を考え、また、良い物を作ろうと必死で考えているのだ。しかし、他の部門からすると、『なぜこちらが思った商品が出来ないのか』『こうした方がいいのではないのか』などと、感じてしまうこともある。また、本社からも、○○%コストカットなどと簡単に言われてしまう。"生産現場をもっと理解してもらいたい"というのが生産部門のリーダーの訴えだ。今回のトレーニングでは、生産部門の話を聞いて、始めて現状を理解した人も少なくない。営業部門のリーダーは、『新しい商品を。と思って提案し、"それは出来ない"という生産部門の答えだけを聞いて、ヤル気がないと思っていたが違っていた。もっと、現場の意見を取り入れるべきだった』と話していた。現場が疲れているのは、現場を無視したやり方、考え方を押しつけられ、その通りにやることを強いられているからなのではないだろうか。現在、現場力と騒がれているが、現場力とは現場の社員自らが問題を発見し、解決していくための能力を発揮すること。商品開発にしても、実際に現場の人を入れて開発するなど、もう少し、現場の声に耳を傾け、現場が生き生きと働ける環境を作っていく。つまり、現場の人たちの意見をもっと尊重し、自ら力を高めていってもらうようサポートする必要があるのだと感じた。
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