OBT 人財マガジン
2010.12.08 : VOL105 UPDATED
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選抜型 次世代リーダー育成
12月に入り、選抜型の次世代リーダー育成コースの多くが、コースの終盤に差し掛かっています。次世代リーダー育成の成果を何とするのかについては、企業様毎に違う部分と重なる部分があります。ここでは、このトレーニングを通じて参加メンバーの"当事者"としての変化についてお伝えできればと思います。参加メンバーが取り組むのは、「我が社が将来、生き残るために何をどうしていくのか」というテーマです。次世代リーダー育成トレーニングでは、新たに得たビジネスや経営に関する様々なテンプレート(考える型紙)を使って、我が社の本質的な課題が何か、どう解決していくのかを、何度も繰り返しながら議論を深めていきます。また、このようなコースでは一貫して「会社を変えるのは誰なんだ?」を問い続けます。何かを変えようとする時に、抵抗やものの見方の違いなどのバリアは存在しますが、自分達が会社を変えるんだという強い思いが何よりも重要だと考えているからです。この繰り返しと、職場への波及と実践を通じて得る経験により、テンプレートを自分自身の能力として身につけていきます。だからこそ、トレーニングと現実を結びつける接点を多くすることが重要になるということは以前にも書かせていただきました。このコースでも参加メンバーは職場に戻った際に、トレーニングで得たものを実践し、その経験をトレーニングに持ち込むということを繰り返しています。そんな中、営業会議の在り方について「数字の確認ばかりではなく、どう手を打っていくのかをこの会議で議論したい」と問題提起したところ、反応が冷ややかだったという参加メンバーがいました。トレーニングを通じて自分の思いやものの見方や考え方に揺さぶりをかけられた参加メンバーが、現場を変えていきたいと行動を起こした時に、このようなバリアに直面することは多いと思います。しかし、選抜型の次世代リーダー育成コースも後半に入り、一歩踏み出し、同じ経験をしている参加メンバーから、「自分達だって最初はそれぞれが見ているところも思いも違ったけど、会社の将来についてこれまで時間をかけ議論してきたから、今ではそれが揃ってきた。」「職場のメンバーや上司とも、同じプロセスが必要だ。」「簡単ではないけど自分達がリーダーとして引っ張って、議論し続けるしかない。」という意見がでてまいります。「定量的成長から定性的成長へ」と改革を仕掛けた菱食 中野社長は『まずは第一世代が慌てればいい。そこでコミュニケーションが始まればいいんです。』とお話されていました。次世代リーダー育成の参加メンバーがこのプロセスをやり続けることがうねりを起こすために重要であることを再認識しました。