OBT 人財マガジン
2010.08.25 : VOL98 UPDATED
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気づきや学習を現場に移植する
良い本に出会い、これは自分の中に取り入れようとマーカーでチェックをしている時は動機づいていても本を読み終えた後、何もしなければ、数日後には、インパクトのあった一節くらいしか記憶に残っていないことはよくあります。また、ここに書かれていることを参考に業務を見直そうなどと思いながら、付箋を貼っている時は動機づいていても "いつか時間がある時に" ということで業務を見直す機会は当分の間、やってこないこともよくあるのではないでしょうか。インプットしたことで満足してしまう。自分なりに整理して、自分のものとしてアウトプットするという、このステップなくして、自分のものにはできません。インプットしたことで終わり、スルーさせてしまう。本当にもったいないことです。トレーニングの内容も、もちろん重要ですが、何より、トレーニングからの気づきをスルーさせずに、現場に移植している企業があります。次世代経営リーダー育成コースに10名に対し、月1~2日、計15日間で進めていますが、トレーニングが終了する度に、そのトレーニングでの気づきや学習したことを整理し職場の上司・メンバーを集め、話し合いをしています。最初の3回目くらいまでは、自分が学習したことなどの紹介に留まっていたようでしたが、4回目が終了した頃から、以下のような様々な変化が起きています。1) 参加者が気づいたこと、学習したことを題材に職場や仕事のやり方、また会社全体についての議論へと発展している。の議論は、トレーニングと同時進行でこのまま進めていきたい。2) 職場の部下との意識のギャップを大きく感じていたが続する中で、ギャップが埋まりつつある手ごたえを感じている。3) 部下と議論することにより、部下1人1人の思考や価値観が把握できてきた。4) 職場でのレビューを通じて、自分に対する上司や部下から期待されていることが伝えられる。何としても、会社を引っ張るリーダーになる。職場でなされた議論や、そこで感じたこと、気づいたことを、またトレーニングの場面に持ち込むことによって、トレーニングと現実、個人の変化と全体の変化が相互作用を起こしながら、うねりになっているように感じます。