OBT 人財マガジン
2010.06.23 : VOL94 UPDATED
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変化の時代に必要な全体を観る目
変化の激しい時代となりました。高度成長期は何を作っても目新しかったわけで、商品(ハード)は何でも売れた時代でした。しかし、その後、世間はモノ余りの時代になり少々の新規性では驚かない、飽きの時代になりました。すると今度は、ソフト面を重視した時代がやってきました。しかし、これからは、ハードとソフト両方を観る"全体を観る目"が必要となってきます。ハードであれ、ソフトであれ自身の仕事の枠に囚われ、目の前の業務だけを深堀してしまうとタコつぼ化に陥ってしまいます。また、個人のタコつぼ化が組織全体のタコつぼ化とつながります。全体を観て企業の進むべき方向、また戦略を考え行動することが必要となってきます。今回の現場ドキュメントは、今まで一度も外部団体のトレーニングを受けたことがない企業様が始めて望む、OBT協会でのトレーニングをレポートいたします。今回は、まず冒頭に"全体を観る目の重要さ""タコツボ化している自分"に気づかせるために、エクササイズとして問題を用意。内容は・・・出題分野は環境、スポーツ、政治、経済など、さまざまな分野からの抜粋した10問。受講者に答えてもらいます。実際日々新聞に出ている事柄や問題になっていることなどを集めた問題でしたが、10問中の受講者の平均正解率は半分にも満たない2~3問でした。受講者の感想は・全く答えられなかった。いかに自分が世の中を知らないかが分かった。・答えを聞くと知っている言葉だが、その意味を本当に理解していなかったことに気付かされた。など、いかに情報に対して、また、時事に対して関心を持っていなかったかに気付きます。ここで、一番気付いて欲しいことは、ビジネスマンとしてこのような状況では、これからの大変化の時代、勝ち残っていくことは出来ないということです。たった10問の問題ですが、この10問から学ぶことは多く。問題の答えを知るのではなく、この問題を解けないという事実を身をもって経験することに意義があると思います。『知らないでもやってこれた』時代は終わり『知らなくては生き残れない』時代になってきています。いかに、そのことを受講者に感じてもらえるか・・・先にも述べたように、タコつぼ化に陥り、自分の仕事の領域しか見えていない、と言うことにいち早く気づくことが出来るか。この危機感が強い受講者ほど、トレーニング中の姿勢が変わってきます。受講者は・・・・同じ会社内で他部署のことを何も知らないで仕事をしていることがある・もっと、他部署とコミュニケーションをとり、会社全体を観ていく必要があると感じたと改めて、自身の視野の狭さを感じでいました。仕事は、繰り返し行っているうちに、『慣れ』で出来るようになります。しかし、慣れの仕事からは、視野が広がらず疑問や新しい発想などはでてきません。変化の時代といわれる今、今までの『慣れの仕事』では、勝ち抜いてはいけません。全体を観る目を養い、そこから深く考える力がこれからは必要になってきます。
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