OBT 人財マガジン
2010.04.07 : VOL89 UPDATED
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トレーニングは自社の実態を知る契機
今回の現場ドキュメントは、管理職を対象としたトレーニング現場からお届けしたいと思います。
選抜された課長職8名を対象に、「監督者ではなく、経営幹部という観点から
(より大きくより高い観点から)自組織の在り方を考える」
というテーマに基づき、大きく分けて次の様なステップで実施しました。①外部環境の変化
...外部環境の変化をどの様に捉えているか(どれだけの範囲と時間軸で捉えているか)
↓②経営計画の理解
...全社計画をどの様に捉えているか、自分にとってどのような意味合いがあるか、
組織のリーダーとしてどの様に関わろうとしているか
↓③自組織の将来像と問題点
...どこ迄の範囲を自分が関わるべき対象として捉えているか、
自分の担当組織、部下をどのような状態にしたいか
以降は、議論の中で参加者から上がった声です。・経営計画の難易度は高いと感じている。ただ、高い目標だと思う一方で、何がどう高いかがわからない。
・(中計では)新規事業を大きな柱にしているが、その領域が見えにくい。
・我が社は、数字達成意欲は強いが、組織体質、体制(制度や仕組み)が弱い。
・ジョブローテーションが全くない中で来た。事業部での囲い込みが、行く行くは組織の弱体化に繋がる。
全てのセッションを終えて、参加者の意見を聞くと、
トレーニングで得た気づきは大きく分けて次の二つにまとまりました。① 「自社事業を取り巻く外部環境の変化に対して、各人が危機意識を肌身で感じていたことが
わかった。しかし、それに対して具体的な対処策がないという我々の現実を知った」
② 「この現実を変えていくためには、マネージャーである我々自身の自助努力もさることながら、
体制や組織風土を変えていくための全社的な取り組みが必要である」
...これを聞いた時、私はふと、こんなことを思いました。
"我が社の管理職が今どの様な状態か、どの様な考えを持っているのか"
"この状況から言える自社の実態(課題)とは何か"等について
トレーニングの企画・運営を行う事務局や経営陣は、どこまで把握しているのだろうか...というのも、多くの企業では「うちの管理職は○○ができないから...」
という理由で、様々な"研修"を実施するものの、導入した施策を通じて、
自社の課題を深掘りしていく、会社全体を変えるためにやり方を再考する、
というケースは少ない様に感じます。トレーニングによって参加者を磨き上げる事も、もちろん重要ですが、
事務局の方々、または経営に近い方々が、そのトレーニングの現場に立ち会って、
自分の目と耳で自社の実態をしっかりと認識すること、
そして我が事として、当事者意識を持つことが重要だと思います。
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