OBT 人財マガジン
2009.06.24 : VOL70 UPDATED
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先輩・後輩の風土を作るトレーニング
今回の現場ドキュメントでは「OJTトレーナー養成」をテーマに実施した教育をご紹介します。
数年前からOJTトレーナー制度を導入された企業様で
当初は 「現場で使えるスキルや知識を伝えてほしい」 という御依頼でした。
しかし、そもそも、
・「自分がOJTトレーナーを担当している」という当事者意識
・OJTトレーナーとしての自分なりの考え方
(例えば"OJTトレーナーを担当するということは(会社のためでなく)自分の成長のためである"等)
がなければ、スキルや知識をいくら伝えたても参加者は「自分に必要なこと」として捉えられず全く頭に入りません。
そこで、最終的には教育の目的を
「OJTトレーナーの意味付け(役割の再認識)」 の一点に絞りました。【教育の実施】
教育では、
・OJTトレーナーを担当してみて、今、課題に感じていること
・新人の育成において、自社で現実に起きている課題を主な題材として、ディスカッションを繰り返していきました。
現実に起きている課題について、お互いの考え方・意見を交換することで参加者は次第に
"気づき"を得ていきます。
スタートした当初は"何となくうまくいっていない"というレベルで捉えていた事象を
後半の方では、自分が解決しなければならない問題として捉えているように感じました。
最終的には
‐仕事の全体を理解した上で、仕事を割り振りたい
‐普段「忙しいこと」にかまけている自分に気づいた。
‐場当たり的ではなく、中長期的に指示命令を出していきたい。
‐半年、1年と、明確な目標を持つ事が大事だとあらためて感じた。等のコメントが参加者から上がりました。
【教育を終えて ‐OJTが機能するために‐】
新入社員の定着化・早期育成を目的にOJTトレーナー制度を導入する企業は数多くありますが
「うまく機能していない」現状をよく耳にします。
その多くは「OJTトレーナー制度」という枠組みだけ導入して、それを運用する人・組織(企業のソフ
ト構造)の在り様が変わっていないためです。
しかし一方で、すぐに「では、マネジメントが悪い」等と部分に原因を見出しても仕方ありません。もちろんOJTトレーナーの上司に当たる管理職のあり様も大きく寄与しますが
多くの場合、部下の育成と同時にプレイヤーとしての成果も強く求められている現実があります。
下が悪い、上が悪いと指摘していては切りがありません。
やみくもに"OJT""メンター""部下育成"と唱えず、まずは「OJT」そのものが機能しにくくなってきている現状を認識しすること、その上で自社の人財に対する姿勢を明確にし
また、全社的に人を育成する風土・体質を時間をかけてでも構築していくことが
これからますます企業の競争力を決するのではないでしょうか。
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