OBT 人財マガジン

2009.03.11 : VOL63 UPDATED

人が育つを考察する

  • 個が育てば、組織は育つ

    今回のOBT現場ドキュメントは、2月に某通信関係企業で実施した、
    次世代リーダーの育成フォロー教育の現場についてご報告致します。

     

    OBT協会で実施する教育の一つとして、

    管理職の中から将来を嘱望されている若手管理者を選抜して、

    "次世代のリーダー"を育成しようといった取り組みがあります。

     

    この企業では、この試みを、2007年に第一期生、2008年に第二期生というように
    1年間かけて長期的視点から育成して参りました。

     

    そして、終了後1年経過後に再度フォローのための教育が行われました。
    1年間の間に、何をどの程度実践し、どのような結果であったか等といった振り返りと、
    これからの自分の課題を再構築するための時間でした。

     

    OBT協会では「受託した教育」が「現場で活かされないと全く意味がない」と考えており、
    今回の教育現場でも長期(約2年間)に渡って育成フォローをして参りました。
    教育の現場で学んだ「気づき」を、じっくりとそれぞれの受講者に根付かせ、
    意識させることが「価値のある教育」であると考えた末の内容です。
    この中身を作るには多くの時間と研究が必要ですが、

    この価値を生み出すことに教育の意味があるのです。

     

    受講生は既に1年間の育成と半年後のフォローを終えて、今回はその最終フォローの現場でした。

     

    受講生は10名、どの方も同じタイプという方はいませんし、どの方もそれぞれ良さがあります。
    しかし、仕事との向き合い方は共通したものが感じられました。

     

    それはなぜでしょうか?

     

    「仕事とは、個人ではなく組織で動く」

     

    そう、この組織を動かす原動力となるのが、今回受講した次世代リーダー達です。
    彼らが「個から変わる」、そして「組織を動かす」という気持ちを持っていなければ、
    せっかくの組織も停滞し、個のモチベーションの低下、最終的には組織が成り立たなくなります。

    大企業であればある程、この力は問われる部分であり、

    「誰かがやっているから大丈夫」という意識は、やがて何かのタイミングで崩れていくでしょう。

     

    今回の受講では、自らのマネジメントや業務遂行スタイルを規定しているものの見方、
    考え方を仕事において気づきを起こさせる機会となり、また部署ごとのリーダーとの交流が、
    所属している自社を「組織」として意識させることも重要な要素になっていました。

     

    この気づきを定着させる事は、大変難しいですが「企業」が「組織」である限り、

    忘れてはならない原則です。

    人に思いを伝えることは、なかなか考えている通りにはいきません。
    人に教育するのも同じことです。

     

    思いを一つに、個の成長、そして企業の成長というものの過程を、

    今回目の前で見ることが出来たと感じています。