OBT 人財マガジン
2008.11.26 : VOL57 UPDATED
-
【変わる教育の現場】民との戦いに勝つために③
「官から民へ」
この大きな潮流の中、民間企業・NPO法人等との競争に打ち勝つために、人財の革新と組織変革に取り組む地方公共団体や外郭団体があります。
【顧客から選ばれるために】
プロパー職員の管理職候補の方々を対象に、「顧客」「競合」「わが社」についての課題を検討し、顧客から選ばれるために何をどうしていくのかをトレーニングの中で議論し、明確にしていきます。
トレーニングのステップの中で、「我々の事業は何か」、「顧客」「競合」に対して課題は何か、
「サービス」とは何か、それぞれについてメンバー間に共通の認識ができた次のステップでは、
「わが社」の課題についてのステップに進みます。
■我が団体の課題とは
事前に全職員に実施したアンケートをもとに、我が団体の現状を明らかにしていきます。
・我が団体の進む方向が明確化か
・現場の声は、経営層に届いているのか
・組織間の協力関係は良好か
・仕事にやりがいを感じているか
・団体全体の課題を具体的にどう感じているか
・所属する組織の課題を具体的にどう感じているかのアンケート結果を題材に、我が団体の課題について共有化を図ります。
議論の中では、決裁権の所在や様々な立場の人が混在する組織であることなど、
上部団体と我が団体という関係から派生する様々な課題が多くあがってきます。
■自分たちにできること、自分たちがやるべきことへの議論
あれが問題だ、これが問題だ、こういう所与の条件だからうちでは難しい・・・。
この議論のループから抜け出すために、繰り返される評論的な議論の姿をトレーナーが参加メンバーにフィードバックしていく中で
参加メンバーから、
・あれがダメ、これがダメと言っていても進まない
・業務を実質的にまわしている自分達だからこそ、考えられることがある
・実務だけではなく、自分達が力をつけていかなければいけない
など、ポツリポツリ意見の変化が見られます。議論が一歩進んだように見えては、相反する意見が出ると変えていくことへの難しさに
議論が戻ったりと、議論の方向性が行ったり来たり。
「言っていることはわかるけど・・・」「とは言っても、コレコレの理由で難しい」という意見は、議論の場を支配しがちです。しかし、議論を止めずに摩擦や葛藤を繰り返していきました。
長い議論の中で、「変えていくのは自分達なんだ」と舵をきる局面があります。
粘り強く議論を重ね、諦めない思いの強さが「難しい」を突き破る。第三者の立場では"変化"は当然と思えるものであっても、当事者の立場になれば
「難しい」と考えてしまうことは多いものです。
自分の日常でも、ここで行われているように議論や対話の重ねられているかと
振り返らずにはいられませんでした。
- 第五回【仕事を極めた人の成長プロセス-前編】
――食と向き合うことで見えてきた商業家としてしての道 - 「思い」をぶつけ、賛同者を得るプロセスがリーダーを育て、職場を変える
- トレーニングで"思い"は醸成できるのか?
- 第四回【仕事を極めた人の成長プロセス-後編】
教育とは、生徒の能力を引き出すこと - 第四回【仕事を極めた人の成長プロセス-前編】
"伝説の教師"の国語の授業 - 社会問題の真っ向から立ち向かう企業!
- ソーシャル・イノベーションから見る事業の在り方
- 第三回【仕事を極めた人の成長プロセス-後編】私は"たいたいばあさん"なんです
- 第三回【仕事を極めた人の成長プロセス-前編】
歌は歌詞を理解していないと上手く歌えない - ゆで蛙になる前に -かつての成功は未来永劫続かない-