OBT 人財マガジン
2008.02.13 : VOL39 UPDATED
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【企業組織変革と人事戦略】 ①組織構造は環境に従う
経営や経済学に強い影響を与えた米国のアルフレッド・チャンドラー(経営史家)は、企業(経営)戦略について次のように言っています。「将来ビジョンを明確に提示し、行 動方向を採択し、目標遂行に必要なる資源(物的、人的、時間的)の配分を行うこと」また、「Structure follows Strategy(組織構造は戦略に従う)」といって、戦略と組織の強い関連性とその重要性を説いています。しかし、「組織構造は戦略に従う」と同時に、経営環境は絶えず変化しています。その中で企業が生き残り、成長していくためには、変化する環境に適応するよう、自らを変えていかなければなりません。つまり、「組織構造は戦略に従う」以前に、「組織構造は環境に従う」というのも事実です。企業が環境に適応し、成長するための戦略を考える上で、とかく陥りやすい間違いがあります。特に人事戦略においては、これまで「経済が成長し、需要が増大し、企業が成長する」という、戦略観が前提にあったように思われます。たしかに、1990年代の後半以降の人事リストラの時代を経てきたために、各企業はもう何年も採用を絞り込んできましたが、人事戦略の指向性は「人材は増やすもの」という前提になっていると思われます。多くの企業では、中高年の余剰感はあっても、若手や中堅の不足感があります。団塊の世代の大量退職や少子高齢化を背景に新卒や若手の売り手市場は今後も続くと思われます。このような環境下においても、企業は収益が低迷すれば人を減らし、収益が向上すれば人を増やすという、景気連動型の人事戦略は本質的に変わっていないのではないでしょうか。日本の企業においては、収益低迷期において、かつてのピラミッド組織の中で、中高年が余剰なので、その人材を減らしましたが、それでピラミッド組織が回復し、運営できるかといえば、そうはなりません。また、フラット化するという形で、中間管理職の人員を減らしてきました。では、残った人材でマネジメントができているかというと、これもそうはなっていないように思われます。環境適応を踏まえた人事戦略を展開するためには、基本的なやり方を変えなければなりません。環境適応を、人事戦略だけで対処することは困難であり、「組織変革」という組織戦略的な観点が、合わせて必要です。*続きは後編でどうぞ。
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