OBT 人財マガジン
2007.12.12 : VOL36 UPDATED
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理念採用の重要性
採用はイチかバチかの賭けではありません。
これは私が15年間、採用のお手伝いをしてきて学んだことです。
採用の重要性を認識し本気で向き合い活動している企業と、所詮人なんて
採用してみないとわからないと、半ば投げやりになってしまっている企業とは、
採用の成果だけではなく、事業の成長ぶりも中味も違うのです。-理念採用とは-
企業経営の4要素である、人、物、金、情報の中で、一番大事なのは「人」
であることは自明の理です。人が大事と言いながら手を尽くさない企業が、
求心力に欠けるのは当然なのでしょう。
「自社に帰属している人材以上のビジネスはできない。本当に採用は大事
なんだ。」と採用活動のキーマンに本気で打ち明けられた時、私の心は打
ち震えます。(これが大事なんです。その人の想いが伝わり、対峙している
人を動かすんです。)
そして、場渡り的な採用活動ではなく、戦略的な採用活動に切り替えようと
伝えます。せっかく行う採用活動の意義が自社の事業経営と組織運営に
蓄積されるような、採用活動を一緒に考えてやっていきたいと提案します。これが「理念採用」です。
-採用の成果-
理念に照らし合わせた時に、恥ずかしくない採用といいますか・・・。
別に採用手法が革新的に変わるわけではありません。
今や採用活動は小手先では空回りするだけですし、キレイごとばかり並べても
人は就職してくれません。とにかく、根っこが大事です。理念採用とは、採用活動に関わる全員が「人」に対して今一度本気で向き合う
ことが、土台となる採用活動です。すると、採用の成果が全く変わってきます。
採用の成果というとどんな人が何人採用でき、今このように活躍しているという
ことが中心ですよね。理念採用においては、それだけでなく採用に関わった自社の人材が、
驚くほど成長しているのです。-競争の激化と複雑化する採用活動-
ですが、採用は今までになく難しくなってきました。
理由は、日本の人口減→国内市場の縮小→人材の希少化とともに、国際競争
力の低下が示すように、そもそもの人材の質・レベルの変化が挙げられます。
また、採用する側にとっても採用される側にとっても、昨今に見る情報メディアの
増加は、採用活動を複雑にしているといってもよいでしょう。
クロスメディアの時代だそうですが、それぞれのメディアを組み合わせた場合の
コミュニケーションを設計する必要が出てきたようです。私たちが受ける企業の相談も、インターンシップの相談から、自社のホーム
ページを含むネットメディア、入社案内を含む紙メディア、イベントでどう自社を
演出しようかなどのイベントメディア、OBリクルーターや面接評価者などの目線
合わせをして欲しいといった人メディアへの働きかけなど、年々詳細になると
同時に、自社ならどうしたらよいのかとの問い合わせになっています。
その延長戦上には採用成果への執着を強く感じます。-ある企業では-
先日も、ある流通業のお客様が、制服が採用へ与える影響がわかる資料や
データを求めてこられました。今の若年層が支持している求人情報メディアの
データから、若手は働いている時の自分が「かっこいいか」「自分らしいオシャレ
を貫けるのか」という観点が重要事項の1つであると読み取れました。想像はつきましたが、これほどなのかと私自身も勉強になりました。
大切なのは、このデータを単なる人集めに活用するのではなく、理念実現の
実例として機能させることですよね。
(もちろん要望いただいた企業様は理解されていました、念のため)そしてクロスメディアの時代では、理念と照らし合わせた「自社で働く人に
対して伝えたいメッセージ」を一貫してどのメディアを覗いてもぶれていない
ように、しかも相手に伝わる表現で訴求していることが必要になってきます。-長期的な視点で取り組む-
変幻自在な「人」相手であるために、事前にどこまでの努力をするのか疑問に
感じるときもあるでしょう。そんな時は、採用活動は一過性のものではなく、
長期的な活動であることを再度思い出してください。「優秀な人材」=「企業競争力を創出する人材」=「利益が出せる人材」
=「価値が提供できる人材」、どのようにも表現できます。
人が日々、力を発揮するとはその人材が自社の事業に共感し、事業を動か
している人や組織に共感し、日々の仕事に邁進する・・・その積み重ねです。
採用活動もしかりです。自社の成長を一緒に成し遂げる同志を採用するわけですから、長期的に
見る必要があるでしょう。そして、その企業努力を一番間近で見ているのは、
自社の社員や懇意にしているお取引先なのです。
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