OBT 人財マガジン
2007.06.13 : VOL24 UPDATED
-
予算化された人件費管理で業績連動型へ⑤
総額人件費管理は、事前に人件費の総枠を決めて管理していくというものである。
その意味で、予算化された人件費管理なのである。
期が終わって人件費となる費目を集計した結果、こうなりましたというのは、あくまでも事後集計であり、結果管理である。
総額人件費管理は、予算化された人件費(パイの大きさ)を管理するものであり、事前主計、事前管理である。通常の業務でも、そうであるように、管理というものは、PDCAのサイクルを回すものである。
同じように、総額人件費管理も総額人件費のトータルを経営戦略や経営計画(付加価値経営計画)と連動させ、事前に計画し、期末に実績が出れば計画と比べてどこに差異が生じたかをチェックして次の計画につなげていくという、PDCA(プラン・ドゥ・チェック・アクション)のサイクルで管理するものである。
そういう意味で総額人件費管理は、経営と人事を結びつけるパイプ役でもある。では、予算化された人件費(パイの大きさ)はどのように決めるのか?
大きくは3つの方法が考えられる。1つは、企業の付加価値から、労働分配率を介して総額人件費を決める方法である。
企業の付加価値が1000百万円、労働分配率60%の場合の総額人件費は、
1000百万×60%=600百万円となる。
2つ目は、売上高との関連で、売上高人件費比率を介して総額人件費を決める方法である。
そして、3つ目は、売上総利益との関連で、売上総利益人件費比率を介して総額人件費を決める方法である。
この場合の、労働分配率、売上高人件費比率、売上総利益人件費比率は、その企業の過去の実績を勘案して、定めた目標とすべき比率(適正比率)を求める。
では、予算化された人件費(パイの大きさ)が決まったら、それをどのように配分するのか?
大きくは2つ視点が必要である。
1つは、人件費の各科目への配分である。
ちなみに、人件費科目には次のようなものがある。総額人件費(パイのおおきさ)は、決まっているから、何かを厚くすれば何かを薄くしなければならない。
人件費の各科目への配分とは、給与、賞与、退職金、福利厚生などへの配分をどのようにするかということである。2つ目は、政策項目への配分である。
政策とは、年功重視か、能力重視か、職務重視か、成果重視か。
何を重視して配分するかである。On the Business Training 協会 栗田 猛
*続きは後編でどうぞ。
予算化された人件費管理で業績連動型へ⑥
- 第五回【仕事を極めた人の成長プロセス-前編】
――食と向き合うことで見えてきた商業家としてしての道 - 「思い」をぶつけ、賛同者を得るプロセスがリーダーを育て、職場を変える
- トレーニングで"思い"は醸成できるのか?
- 第四回【仕事を極めた人の成長プロセス-後編】
教育とは、生徒の能力を引き出すこと - 第四回【仕事を極めた人の成長プロセス-前編】
"伝説の教師"の国語の授業 - 社会問題の真っ向から立ち向かう企業!
- ソーシャル・イノベーションから見る事業の在り方
- 第三回【仕事を極めた人の成長プロセス-後編】私は"たいたいばあさん"なんです
- 第三回【仕事を極めた人の成長プロセス-前編】
歌は歌詞を理解していないと上手く歌えない - ゆで蛙になる前に -かつての成功は未来永劫続かない-