OBT 人財マガジン
2007.06.27 : VOL25 UPDATED
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予算化された人件費管理で業績連動型へ⑥
前回(⑤)述べたように、人件費は月例賃金だけではなく、それ以外の賞与、退職金、その他法定福利費などがある。
このことから、経営において人件費を広く捉える必要がある。
労働厚生省の調査によれば、人件費は毎月賃金の1.6倍にもなっている。
毎月の賃金を100とすると、人件費全体は概ね160~170程度になる。
人件費項目の中で、賃金以外に大きなウエイトを占めるのが、賞与20%弱、福利厚生費10%弱と高い。
自社の人件費はどのような指数を示しているか1度チェックしていただきたい。
例えば、毎月の賃金を100とすると、人件費全体は概ね120~130程度であったとしたら、どう見るべきであろうか。
一般的に、人件費全体は概ね160~170程度という水準から見れば、異常値と捉えられる。
このケースは毎月の賃金が高いために、全体の指数が相対的に小さくなっているのである。
賃金が高いのはなぜか?
1つは、残業が考えられる。
残業手当も賃金に入るから、賃金に比べてその他の指数が相対的に小さくなるのである。
もうひとつは、非正社員比率が高い場合が考えられる。
非正社員には、通常賞与、退職金の支払いは、発生しないから賃金に対して指数が相対的に小さくなるのである。
総額人件費を考える場合、人件費科目に現れた額ばかりに意識が行くが、忘れてならないのが、休日や時間に関することである。
例えば、労働時間を短縮した場合その跳ね返り人件費は、次の3点に及ぶのである。
1.週44時間から40時間に短縮すると、賃金の上昇率は(賃金/44)÷(賃金/40)=110%となり、賃金は10%上昇する。
2007年の春季労使交渉は、主要企業の速報結果(日本経済新聞3/29)によると賃上げ率(月例給与の上昇率)は1.83%程度であるから、いかに高い上昇になるかがお分かりいただけると思う。
2.年間休日を、97日から104日に増やしたとすると、月額25万円の場合は、割増賃金の時間単価は、1999円から2053円になる。この単価に割り増し率が乗じられることになる
3.週44時間労働をした場合は、週40時間に短縮後は、4時間が割増賃金の対象になる。今後この割り増し率は、条件如何によってはさらに上昇するであろう。以上のように、単に時間短縮という面だけではなく、それに伴って賃金が上がり、単価が上がり、割り増し率が上がることによる、総額人件費の上昇を考えなければならない。
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