OBT 人財マガジン
2007.05.30 : VOL23 UPDATED
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予算化された人件費管理で業績連動型へ④
全社員の適正人件費総額と企業にとっての適正人件費とのバランスをどう取るか?
企業の支払能力と、社員の納得性を勘案して決める管理である。
この領域は、財務管理としての側面が強い。企業支出の項目を大きく分けると「人件費」「製造費」「販売費」「経費」であるが、その中でも賃金を含む人件費はすべての企業において例外なく大きな割合を占めている。
そして更に人件費の中で「賃金」は最も大きな割合を占めている。
したがって、人件費、賃金を適正にコントロールすることが求められる。人件費の構成は、大きくは役員人件費と社員人件費に区分できる。
役員人件費の内訳は、役員報酬、役員賞与、役員退職慰労金、法定福利費(社会保険料)、福利厚生費(住宅補助、社員旅行補助など)、研修費である。社員人件費の内訳は、賃金(所定内給与、時間外手当、賞与、退職金)、法定福利費(社会保険料)、福利厚生費(住宅補助、社員旅行補助、厚生施設維持費など)、募集採用費、研修費、その他である。
そこで、この人件費をどう見るかであるが、人件費は、あくまでも企業の付加価値から分配されるものである。付加価値とは、企業が経営活動によって新しく生み出した価値のことであり、その金額は、売上高から他企業から購入し消費した部分を差し引いた額である。
生み出された付加価値は、次のとおりに分配・支払が行われる。付加価値の分配先は企業と企業そのものを構成する人々である。
分配分の総額を「株主」、「経営者」、「労働者」、「企業」にどんな割合で配分するのか、企業の重要な決定事項である。賃金には、給与、賞与、退職金がある。
退職金は各年度に損金経理が可能な方法を採るなどして、支給原資を別立て管理して、各年度の支出または費用を平準化することが望ましい。
賞与は、支給総額を各年度の利益または付加価値額に連動させて決定する方法を採ることが望ましい。これより、給与の支給総額は個別給与の積み上げ額を微調整する程度で総額人件費のコントロールが容易となる。
On the Business Training 協会 栗田 猛
*続きは後編でどうぞ。
予算化された人件費管理で業績連動型へ⑤
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