OBT 人財マガジン
2007.03.27 : VOL19 UPDATED
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社風が人を惹きつけ、社風が人を引き離す ②
前回のコラムにて、「人財の定着化、戦力化」をテーマに実施いたしましたOBT協会セミナーの内容を一部ご紹介させていただきました。今回は、前回の続きです。
「"若手の戦力化"すなわち"若手の独り立ちの条件"とは、何ができるようになることか?」
ある調査によると、『与えられた業務を一人で完結できる状態』という回答がいちばん多く、また「貴社において若手が独り立ちすたと周囲に認められるようになるまで要している期間は?」という質問では、回答の平均が3,4年でした。「若手の能力差が生じる要因は何か?」という問いでは、『仕事に対するモチベーションの問題』『上司・育成担当の指導の質』『本人の意思の不足』『本人の潜在的な保有能力の限界』という回答が目立ちます。このような調査結果及び、私たちが様々な企業でお話をお聞きする中で、
"若手の将来の成長は『本人の資質に規定される』あるいは『職場の上司の指導力』"といった点で片付け、それらを"『外部団体の研修というカタチでお茶を濁す』企業があまりにも多い"という事を感じます。
戦力化ということを全く放棄し、『うちの社員は意識が低い、主体性がない』と嘆いている関係者が大変多いのです。では、若手の戦力化のために必要なこととは何でしょうか?私たちは、以下のように考えています。
(1) 人材要件の明確化
(2) OJTのプログラム化
(3) 早期戦力化のための諸施策の体系化
a.成長段階に応じた育成システムの構築
・入社1~2年目 ・入社3~5年目 ・入社6~7年目
b.リーダー資質向上に向けた取り組み強化
c.計画的な異動・ローテーションの実施
d.キャリア形成支援の充実・強化
e.企業風土の構築ここでは、セミナーでお話させていただいた内容から、「(2)OJTのプログラム化」「(3)e.企業風土の構築」について触れさせていただきます。
「(2)OJTのプログラム化」
若手の能力開発として最も活用されている手段はOJTです。しかし、プログラム化されていないOJTは、指導が場当たり的になる危険性があり、また、指導を担当する上司は"仕事が忙しい"と指導を後回しする可能性が高いのです。
若手に対する能力開発の成否は、その『OJTを担当する上司の質』に大きく影響されます。
そして、若手のOJTが上手くいっていない企業では、若手に限らず全ての階層で、OJTが機能していない場合が多いのです。「(3)e.企業風土の構築」
"社員をいかに育てていくか"という人材開発が、非常に注目を浴びています。
企業の活力が生み出されるメカニズムとは、"社員が仕事に対するモチベーシヨンを高め、その組織で働くことに喜びを見出し、自らのレベルアップに努める"等といったことが組織に対するコミットメントとなり、企業の競争力に結実していくということです。
社員がこの組織にいて将来成長でき、自分の仕事に誇りを持てるような"魅力的な組織風土/社風作り"が大切です。
社風というのは「見えざる資産」です。それは企業の貸借対照表には載らず、金額にも換算できません。そのような見えざる資産がかつてないほど重みを持とうとしています。
雇用の流動化が進み、社風というのは磁石のように働く人たちをひきつけたり、あるいは反対に反発や離反を招いたりします。若手からたくさん意見が発信される、お互いを思いやる人が多い、なんとなく活気がない・・・など、人材の定着化には、この目に見えない"風土"が大きな影響を与えています。全ての人にとって幸せな環境というのはないと思いますが、その会社にとって必要な人材が、魅力を感じられる社風・風土である、ということがこれから更に求められるのだと感じます。
On the Business Training 協会 伊藤 みづほ
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