OBT 人財マガジン
2012.10.10 : VOL149 UPDATED
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バレている!見せかけだけのサービス
今回お話をお伺いした高野さんの言葉で、取材の際はそこまで
明確に理解していなかったが、最近、ようやく少し分かりかけた言葉がある。
それは、
「ホスピタリティとは、人の生き方、あるいは企業のあり方の土台となるものです。
そして、パソコンで例えるなら、OSであり、サービスやスキル・知識は
そのOSの上で機能するソフトです」という言葉だ。
意味としてはわかるのが、まだしっくり腹に落ちていなかった。
しかし、先日知人からとある話を聞いて
ホルピタリティとサービスの違いが少しずつ分かってきた。
知人の話はこうだ。
いつも通う歯医者に行き、治療を済ませ、帰ろうとした際に
治療後のケアをしてくれた歯科衛生士さんに呼び止められた。
話を聞くと、作業(ケア)の中で、一点不手際があり
もう一度、診察台に戻ってケアをさせて欲しいとのことだ。
知人は時間もなかったが、その歯科衛生士さんの要請に応じたという。
話しを詳しく聞くと、その歯科衛生士は普段から仕事は一生懸命であり、
そして、何より人として持っているもの(醸し出す雰囲気)が、
非常にいい人だという印象を前々から持っていたという。
その為、今回はしょうがないな...という気持ちで応対したという。
この話を聞いて、私が改めて感じたことがある。
今まで、技術やサービスが重要だと言われてきた日本であるが、
現在は、それが当たり前になっており、それプラス誠意というものが
求められるのではないかということ。
しかもそれは、その場限りの誠意(マニュアル化された行動)ではなく、
周りの人へ自然(意識しなくても)向けられる誠意じゃなくては意味がないということだ。
それは今までの育ってきた環境や、親からの躾で培ってきたものだと思う。
人は、数回会っただけで、その人の持っている考え方が少なからず見えてくる。
例えば、仕事上・サービス上での作り笑いなのか、本当に心から思っている笑顔なのかは
接して行く中で、何となく分かるものである。
ここで高野さんの言葉が、少し分かったような気がした。
「ホスピタリティとは、人の生き方、あるいは企業のあり方の土台となるものです」
つまり、これからの時代は、形だけのモノだけでは
売れない・受け入れられないのだ。
小手先の技術やマニュアル化されたサービスでは、顧客はついて来ず
売り手側の人間性が必要になってくる。
顧客の為に、常に心を込めて何事にも取り組むことが望まれる。
そしてそれは、仕事の場だけではない、普段の生活の場での考え方も重要になってくる。
通常行っていることが、自然と仕事の場でも出てしまうからである。
普段の生活から、周りの人への気遣いを意識してみること。
その行動こそが、これからの企業で求められる能力なのではないだろうか。
その場限りではない、誠心誠意心のこもった行動を自然と行える人財が
多ければ、多いほど、他社との競争の中で差別化になる。
ちなみに、そういった考えの人が増えれば、失われつつある日本の
"おもてなし心"や、"人を思いやる心"も復活するんではないだろうか!
OBT協会 菅原加良子
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