OBT 人財マガジン

2012.09.12 : VOL147 UPDATED

編集後記

  • 人財育成の前に重要な考え方

    山本五十六といえば、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦などの総指揮を執った
    日本を代表する提督であり、また、日米開戦に最後まで反対していたことで知られ、
    傑出した名将として、今日でも非常に評価の高い人物である。


    その山本五十六は多くの名言を残し、その中でも有名な言葉が
    「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、
    ほめてやらねば、人は動かじ」という言葉である。


    この言葉は、部下を持つ管理者や経営者などに非常に人気だという。
    しかし、人気と言うだけであって、どれだけの人が実践できているのであろうか。


    多くの場合、感動的な言葉や出来事に出会って、一時はやる気になるが、
    それを行動に移せる人は本当に少ないのではないだろうか。


    そして、それはいつしか知っているだけで、満足となってしまうのだ。
    折角、素晴らしいものと出会っても結局行動へ移さず、
    何も変わらない毎日の繰り返しとなる。


    今、改めて、山本五十六の言葉を見返してみると
    この言葉は上司が部下を育成するということに関わらず、自己成長にもつながる
    言葉のように思える。


    何か新たな事を始める時等は、まずは自分に言って聞かせて、やってみること。
    そして、続けること(途中で諦めないこと)。すると、続けることによって、
    新たな発見があり、そこから、喜びや成長実感を感じることが出来る。
    その成長実感が、次に向かっての一歩となる。


    つまり、何事にもまず自分で一歩を踏み出し、やってみることが重要である
    ということなのではないだろうか。


    そして、そうした姿勢は
    "上司は部下を見抜くのに3年かかるが、部下は上司を3日で見抜く"
    というように、周りは必ず見ており、口だけの上司について行きたくないのは
    部下全員が思うことである。


    人財の育成は、企業にとって非常に重要な課題の一つである。
    そのためにも、その前に教える側の意識の問題、取り組む姿勢を
    今一度考える必要があるのではないかと、改めて感じている。


                                                 OBT協会 菅原加良子

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