OBT 人財マガジン
2012.05.23 : VOL140 UPDATED
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改革を行うのは誰か
今から約300年前、8代将軍徳川吉宗が主導した天保の改革
幕府権力の再興に務め、増税と質素倹約によって行われた改革である。
全てが成功だったというわけではないが、一般的に幕府の財政を立て直したといわれ、
その後も天保の改革を模範とし「寛政の改革」「享保の改革」と次々と改革が行われた。
これらの江戸時代の三大改革で感じることは
成否ではなく、実際にトップが指揮を執り行動に出ているということ。
今、日本では様々な問題を抱えている。
・財政赤字
・少子高齢化
・外交問題
・震災への対応
一刻も早く手を打たなければいけないにも関わらず、非常に決断が遅く
何の進捗もないのが今の日本の現状である。
いい意味で集団意識が強く、協調性があるがあると言えるが
結局は個人で責任を負いたがらないのが本心ではないだろうか。
『ノブレス・オブリージュ(※)』
今回お話をお伺いした、元都立三鷹高校の土肥校長は"身分の高い人の義務"
の重要性を話っている。
(※)「高貴なる者に伴う義務」の意。ヨーロッパ社会で、貴族など高い身分の者には
それに相応した重い責任・義務があるとする考え方。
"身分の高い人の義務"という視点で我が国の為政者たちをみると
現在、日本の国会議員の歳費(給与)の高さは世界一で、月給・ボーナス合わせて
年間2106万円。これとは別に、歳費振り込みの個人口座には、
非課税で毎月100万円の「文書通信交通滞在費」が振り込まれるという。
なんと合わせると年収3306万円にもなる。
身分の高い、高貴な国会議員の人員は、この金額に見合うだけの責任と義務を
果たしているのだろうか...。
客観的に見ても全くそうは思えない。
本来なら、徳川吉宗の様に自ら率先し、質素倹約に努め、着物は木綿に限定、
食事は朝夕の2回のみとし、献立も「一汁三菜」としたような生活を送ったというように
低所得者が増え続ける日本で、今どんな事が起きているのかを国会議員に
身を持って経験して欲しいくらいである。
然しながら、国会議員だけを悪者にしていてもしょうがない。
このように自由を与えてしまった我々にも問題はある。
忙しさのあまり色々なことを他人任せ、国任せにしてしまっていた自分。
任せるという行為が極めて無責任さを生じさせる。
つまり、本来であれば誰かに任せる/委ねるのではなく、多くの人が
もっと政治や社会に興味を持ち、自分事として関わって行くことが重要になってくる。
"改革を誰かに求めてはいけない"まずは、自分で考えてみること、行動に
移してみることが重要になる。
リーダー不在といわれる日本、もう少し我々国民が危機感を持ち、
そして、主体となって国を変えていかなくてはいけないのではないだろうか。
OBT協会 菅原加良子
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