OBT 人財マガジン

2012.04.11 : VOL137 UPDATED

編集後記

  • 美しき日本文化を守るために

    桜の季節がやってきた。
    この時期になるとテレビでも毎日のように桜の情報を目にする。
    それだけ日本人にとって花見というものは春に対する
    季節感を形成する重要な風物となっている。


    然しながら、現代の観賞用サクラの代表種であるソメイヨシノの存在が、
    少し前から危ぶまれている。


    ソメイヨシノは、一般的に他の台木に接木をしたものや、
    挿し木、植え替えによって増える。
    このため、人間と切っても切れない関係にあるのだ。
    つまり、自然に増えることはなく、"春になれば、桜が咲く"
    ということも、人の手を介さねば、実現しなくなってしまうのだ。


    今、日本の文化はグローバル化の煽りを受け、めまぐるしく変わっている。
    然しながら、変えてはいけない・守っていかなくてはいけない文化
    もあるのではないだろうか。


    日本の伝統文化が衰退する時、それは人の手・関心が離れていってしまった時である。


    今回、お話をお伺いした秋山木工さんは、丁稚という厳しい制度を取り入れ
    今尚、職人の素晴らしき文化・技術を守り続けようとしている。


    つまり、失ってはいけない日本の伝統文化は積極的に後世に残す努力が必要になる。
    もっといえば、伝統文化は強い思いがなければ伝承することが出来ないのだ。


    変化の時代だからこそ、失ってはいけない日本の心を今一度再認識し
    改めて、伝え・育てる努力が今の日本では必要になっているのではないだろうか。


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