OBT 人財マガジン
2012.03.28 : VOL136 UPDATED
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企業が持続的成長をする為に
震災から早くも一年が経った。この一年で大震災に関連して倒産した企業は644件となり、阪神・淡路大震災の3.3倍にもなるという。然しながら、その一方で中小企業庁「事業承継ガイドライン」によると、日本の年間廃業者数は約29万社と言われ、そのうち7万社が毎年「後継者不在」を理由に廃業しているという驚くべき数字が出ている。中小企業よりも大企業、会社を起業して、お金を儲けることよりも安定した収入・職を選ぶ若者たち。また、自らの成長や仕事のスキルアップよりも趣味や娯楽を優先する等、仕事をするということについて考え方が少しずつ変化しているのかもしれない。一方、企業でも一から人や事業を育てるのではなく、育っている人、また育っている事業を求めるようになった。それらが、今M&Aを加速させ、大学生の内定率を下げている要因の一つであると考えられる。今回現場ドキュメントでお話を伺った福島さんの『世の中が総インスタント化している』という言葉が頭に残っている。人も、企業もインスタントの様にすぐに出来上がらない、しかし、育てることを積極的に行わなければ、仕事の面白さにも気付くことなく、毎日作業をして終わりという人財が増える可能性がある。自らのスキルアップを望まない人財は、見方を変えれば、総インスタント化に巻き込まれた被害者なのかもしれない。本来の仕事の意味を知らず、目の前のものを終わらせることだけを求められる。その背景には、人財育成を行っていない企業の実態があるのかもしれない。もちろん、いくら教育をしても、変わらない人もいる。然しながら、今一度、"人は思い通りには育たない"ということを肝に銘じ、部分を教えるのではなく、全体像から自分(あなた)は何をすべきなのかを目的を明確にし、物事の背景から指導してみてはどうだろうか。もうすぐ、多くの企業で新入社員が入って来る。期の始まりを新たな気持ちで周りの人と関わってみることも必要かもしれない。
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