OBT 人財マガジン
2012.03.14 : VOL135 UPDATED
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企業の生き残りをかけた経営戦略
今回、『この人に聞く』にご登場いただいた日本M&Aセンター 分林会長は、「今後、日本全体が発展するためには、"グローバル化"と"集約化"しかない」とお話されていました。2011年の日本企業のM&A(合併・買収)は1687件、10兆4956億円。その内、日本企業による海外企業へのM&Aは455件、総額6兆2666億円となり、件数、金額ともに前年を大きく上回りました。(2012年1月4日レコフ発表)日本企業による海外企業へのM&Aの増加傾向を見ても、"グローバル化"は企業が生き残る重要な経営戦略であることは間違いありません。2010年11月、カルビー株式会社 上級副社長執行役員 長沼孝義さんにお話を伺った際、「アライアンスで重要なのは、相手のビジネスをお互いにきちんと理解できる企業と組むということ」だとお話されていました。2009年に米食品大手ペプシコとの資本提携により「世界のカルビー」への脱皮を目指すカルビー。天候の影響を受けるポテトチップス事業について、そのことを理解できるのがペプシコであり、日本の馬鈴しょ事情もよくわかっており、馬鈴しょの歩留まり、比重は...など、"共通言語をもった"唯一の食品企業だったそうです。またカルビーでは、経営トップが全国の拠点を行脚し、直接対話する"タウンホール・ミーティング"を開催し、現在の経営状況や現在のポジション、目指す姿などを経営トップ自ら現場に伝えて、共有しているそうです。人をどう育て、活躍させ、グループ全体の成長につなげるか。すべては"人"に集約されるという考えに立ち、ペプシコとの提携後は、将来どんな会社にしたいのかを伝えるをメインにし従業員の疑問・質問には確実に回答していく「透明化」を徹底的に行ったそうです。「グローバル展開にはローカルの理解が重要である」という日本M&Aセンター 分林会長がお話されていました。自ら海外に出ていくのか、海外企業のM&A、資本提携による海外進出なのか・・・、生き残りをかけた経営戦略を実現していくのは"人"であり、経営戦略の実現に向けて、組織の内部に手を打っていくことの重要性を改めて感じました。
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