OBT 人財マガジン
2011.11.24 : VOL128 UPDATED
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これからの商いとは何か?
ダイシン百貨店では元日のお休み以外、毎日通ってくださる熱心なお客様が160名もいらっしゃるそうです。(ポイントカードのデーター分析より。多くは高齢者の方)お店では買物よりも、そこにコミュニティを求めて来店されるお客様も多くいらっしゃるといいます。店員さんとの会話、また、近隣の人との出会い。中には買物をせず、会話だけを楽しみ帰って行かれるお客様も...。しかし、同社ではそんなお客様も大歓迎だそうです。つまり、初めに述べた160人以外でも毎日来られるお客様は多くいらっしゃるのかもしれません。ダイシン百貨店の例から考えるべきことは、売られている商品はどこの店も皆同じですが、「わざわざダイシンに行く」というのは、決して近いからそして、品揃えの豊富さということだけではなく、モノ以外の価値(コト)を売っているからなのではないでしょうか。また、最近では御用聞きビジネスが見直されてきています。しかしそれは、サザエさんにでてくる酒屋さんの様に酒なら酒と言う訳ではなく、複数の物をいっぺんに揃えてくれるそして、ただ揃えるだけではなく、短時間・高品質という価値もプラスして届けてくれるようになっています。それは、御用聞きに限らず、ネットという形でも提供をされています。先程も述べたように、モノはどこでも手に入ります。しかし、現代ではそれとは別に、時間や安心・安全、また、人との関わりを強く認めるようになってきています。商品購入の有無ではなく、人に会うのを楽しみに来店されるお客様御用聞きの様に届ける・配達する手間がかかるビジネスこれからは益々、個の時代になってきます。個にどれだけ対応できるか...。個への対応は一見すると生産性が悪いように感じますが、御用聞きはデータが溜まれば、その家庭の好みを知ることができます。そして、毎日来て下さるお客様は店のファンであり最大の顧客です。モノを並べれば売れるという時代は終わりを迎えます。今回の取材を通じて、今後は何を売るべきか、そして、本当に顧客が求めているモノは何なのかを改めて考えなければいけないと痛感されられました。
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