OBT 人財マガジン
2011.11.09 : VOL127 UPDATED
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企業再生におけるリーダーの役割
今回、取材にお伺いしたのは株式会社ダイシン百貨店。ダイシン百貨店は、周りに大手スーパーがひしめく中でも、半径500m県内のシェア100%を目指すという老舗企業です。私自身、大森に住んで10年、幾度となくお世話になっているダイシン。そんなお店が7年前に資金繰りの悪化から倒産の危機に直面し、また、その後V字回復を遂げていたという事実をまったく知りませんでした。我々顧客からは、企業の中は見えません。見えるのは、その企業の売っている商品と従業員のみ。先日取材に伺うと、店舗が新しくなっており、雰囲気も明るく、また、商品も非常に充実していました。企業再生を果たしたのは、元々は建設設計事務所の所長として、ダイシングループの店舗設計・建設を手掛けていた西山社長。再建時のお話をお聞きすると、徹底したリーダーシップを感じます。現在、企業ではリーダーシップを取れる人がいないと叫ばれています。企業が成長している間はまだいいのかも知れませんが、低迷している時には、自分の考えを貫き通せる徹底的なリーダーシップを持った人物の存在が不可欠となります。人は、皆、己の身の保身ばかりを考えがちです。その周りの人の様々な意見に振り回されては、再建は進みません。自らが主体者となって矢面にたつ気構えがないと新たな道を突き進むことは出来ないのです。以前新聞で読んだ、ローソン社長新浪剛史さんの記事には、ローソンの社長に。と名前があがった際に、はじめは断るつもりだったそうですが上司から「君は僭越な人間だろう」と先手を打たれ、断る理由がなくなってしまった。とありました。企業を再建するリーダーに必要なことは、社員一人一人の不満の声に耳を傾けているばかりではなく、多少社員へ辛い思いをさせてでも、企業の在るべき姿に向かって、突き進むことの出来る人でなくてはいけません。目先の不満対応より、未来へ向けての辛く険しい道を一歩踏む出せる力。その為には、上下関係など気にせず、はっきりとモノを言える人。新浪さんの例が物語るように僭越であるくらいの人の方がいいのかもしれません。日本も現在、少子高齢化、国の借金、震災とたくさんの問題を抱え、大きな岐路に立たされています。今後、更に厳しい状況に陥ると言われている日本。今こそ、多少の犠牲を払ってでも、未来の為に行動するそんな統率力あるリーダーが現れることを願わずにはいられません。
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