OBT 人財マガジン
2011.10.12 : VOL125 UPDATED
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経営トップは現場をどれくらい知っているのか
パートから社長になったことで、一躍有名になった橋本会長。お話を伺って納得しました。ご結婚される前、企業の社員食堂で栄養士として働いている時から作ったご飯の食べ残しの量に目をつけ、『なぜ、今日は食べ残しが少ないのだろう。多いのだろう』とトラックに運ばれた残飯を掘り起こし、原因を探し出した橋本さん。真夏にはひどい匂いがしたそうですが、それよりも『なぜだろう』と気持ちの方が強く、周りの人があきれるくらい真剣に残飯と格闘していたそうです。それは、ブックオフで働くようになってからも同じで、常に、どうしたら、買ってもらえるのだろう...。といろいろと試したそうです。橋本さんにお話を聞くと"店に入って3秒で問題点がわかる"と語ってくださいました。それは、橋本さんが毎日毎日、常に現場と向き合ってきたからではないでしょうか。最近は、現場を知らないトップが事の他多いと言われています。また、自分は知っている、見ている気になっている経営トップも...。例えば、仕組みを考えるのがトップや本社、実行するのは現場。などとなる場合が今でも多く見受けられます。しかし、これでは現場は疲弊や不満が募るばかりです。では逆に、現場に権限を与えるので、"自ら強くなってくれ"といって、現場に任せても現場力が上がるというものでもありません。やはり、経営トップ自らが、現場を理解していることが一番重要だと思います。トップが現場を分かっていて、アドバイスをしたり、また、現場の意見を聞いてくれる。そうしたことが現場のモチベーションアップに繋がるのだと思います。現場を知っているからこそ、現場で働く人の気持ちがよく理解できる。橋本さんのお話をお伺いして、そうした経験者が語る親心的な思いも重要なのだと改めて感じました。
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