OBT 人財マガジン
2011.08.10 : VOL121 UPDATED
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消費者を軸に新たな事業を
今回お話を伺ったのは、シヤチハタ株式会社の舟橋社長です。誰もが知っている、また、使ったことがあるシヤチハタですが、創業当時はスタンプ台を作っていたそうです。しかし、高度成長期を迎えて事務業務がどんどん合理化され始めると、ある程度認知されていたにも関わらず「スタンプ台とゴム印はそのうちなくなる。もっと便利なものを消費者に届けよう」と"Xタンパー、通称シヤチハタ印"を開発したそうです。主力商品の転換をいち早く行い、成功をおさめた同社。我々は、ここから、何が学べるだろか。学ぶべきことは、事業や商品が永遠である必要はなく、常に、新たな道を模索しなくてはいけない、ということではないだろうか。今現在、順調に伸びている事業であっても、いずれは衰退期がやってくる時がある。その時、新たな事業(我が社の次の主力となる事業)は育っているのか?また、そこでは既存事業で培ったノウハウをどのように活かしているかもポイントとなる。今まで、積み重ねた知識・技術は新たな事業を行う際、他社には真似できないコア・コンピタンスとなりうるからである。それを踏まえ、今あるノウハウで、消費者が欲しがるもの、消費者が必要としているものは何か?を考える。それは、今まで売り手の論理で続けてきた事業を、脱するチャンスなのかもしれない。事業構造の転換が騒がれている昨今、自社の今まで蓄積してきた力と、消費者の満たされないニーズを、的確に捉える事が出来るかが鍵になるのではないだろうか。
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