OBT 人財マガジン
2011.03.23 : VOL112 UPDATED
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【自律型人財】 共通点
今回の編集後記では、過去に自律型人財にご登場いただきました● 株式会社ベジテック 営業第3グループ課長 大野真大さん● 株式会社東急コミュニティー 人事部企画課・TCビジネスカレッジ 伊藤憲治さん● ホーユー株式会社 欧米営業部欧阿課 課長 楠見育久さん● 寿がきや食品株式会社 物流管理部 マネジャー 廣津貴子さん● 株式会社損保ジャパン・システムソリューション構造改革・統合本部 団体グループ課長 三浦忠信さんの5名の方々に共通する点として、自律型といわれる人たちの育ち方を考えみた。勿論、生まれながらに自律型人財としての素質をもっている人も稀にはいるだろう。しかし、多くの人がさまざまな経験をしながら、自律型人財としての条件を備えるよう、そして、それなりの器量持てるように、育っていくということである。今回の5人の方々を拝見していてその育ち方のヒントがあるように思える。具体的には、3つの要件である。ひとつは"思い"。この仕事を通して何を実現したいのかという自分なりの思い。ふたつ目は、"経験する仕事の場の大きさ"、それも、"若い頃に経験する仕事の場の大きさ"であろう。そして最後に"考え方の深さと広さ"。考え方とはさまざまな刺激を受けて人がものを考えるプロセスといえる。深い考え方をもつように努力している人は、その考えにスケールと深さがある。また、その考えるプロセスから物事の道理を自分で発見していく。そしてそれが自分なりの考え方、見解へとつながっていく。だから納得感が高い。つまり、人は、「思いの強さ、目線の高さに応じて」「経験する仕事の場の大きさに応じて」「考え方の大きさや深さに応じて」育ち方が決まるといえる。それに加えて、"絶対逃げないこと" "とことんやり抜くこと"ということも共通している要素と思われる。そのことが上司に恵まれたり、薫陶を授けてくると人と出会ったり、高度なプロジェクトのメンバーに指名される機会へとつながっている。まさに成長への機会は、本人の準備があって始めて出会うものであり、機会は決して偶然ではなく必然でといえる。企業組織でこのことを考えた時、能力の高い、自律性のある社員は、仕事の経験や体験で学習し成長するということであれば、企業内の能力開発や教育研修といったセクションは何もしなくてもいいということになる。それも一面では心理であろう。然しながら、経験や体験を育成と呼ぶにはあまりにアットランダム的で無駄も多い。間違った人達に間違った学習を敷いている場合が多い。ヒューマンリソース部門が考えなければならないことは、正しい候補者達に、正しい手順で、正しいやり方でキャリア発達の中で正しい仕事体験を準備していく必要がある。
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