OBT 人財マガジン

2010.02.10 : VOL85 UPDATED

編集後記

  • 「壁」を乗り越えて

    今回「この人に聞く」にご登場いただいた
    株式会社幸楽苑 新井田社長のインタビューで、特に学ばせて頂いたのは、
    度々、新井田社長の目の前に立ちはだかった「壁」のお話。


    自身の出発点を「負けたくないという強い思い」と語る新井田社長。


    経営者となられてからは、店舗の管理をどうするか、
    人の採用・定着をどうするか、価格競争をどう戦いぬくか、という「壁」、
    そして"三期連続の減収"という「生きるか死ぬかの窮地」を
    乗り越えて、最終的にはV字回復を果たした。


    日々、厳しい市況が様々な形で報じられているが、
    大局から見れば、そもそも全く変動しない時代、危機の無い時代、
    「壁」のない時代は存在しただろうか。


    また、もちろん外的要因の影響はあるが、
    そもそも「壁」は"求める人"にしか訪れないのではないだろうか。


    何かを求め、立ちはだかる壁を乗り越えてきた人、
    壁を感じない人、壁に屈してしまう人...


    壁を乗り越えてきた人は他とは異なるパワーを持っていることを、
    日々の仕事を通じて感じる。


    これは単なる精神論的な話ではなく、
    科学的にも実証される事を先日TVで知った。


    同番組で紹介されたのは、スキーのダウンヒルの選手。


    ダウンヒルは時速160キロものスピードが出る競技だが、
    その選手は大会でジャンプをした際、生死をさまよう程の大事故を起こした。
    しかし、事故の10日後にはケガが残った顔で復帰会見を行う。
    復帰の場に選んだのは大事故を起こした時と同じコース、結果は見事優勝‐
    以降の成績も事故前を上回るという。


    同番組では、その選手の脳の働き、心理状況、肉体における変化を
    様々な角度で検証する内容であったが、学者によれば、
    「恐怖(トラウマ)は消し去れない」「しかし恐怖と積極的に向き合い、
    それを乗り越える(成功)ことで、大きな達成感を得て、
    脳が更に強化される」という。


    厳しい情勢、多くが苦しい状況‐
    しかし、別の角度から見れば、どの様な状況であっても、
    捉え方によって高い「壁」は存在する。


    要は自らが「壁」を設定し、乗り越えるのか、そうでないのか


    この大切さを考えさせられるインタビュー記事だった。

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