OBT 人財マガジン

2009.07.08 : VOL71 UPDATED

編集後記

  • ヒットを呼ぶ"素人"


    大ヒットを飛ばしている西友の格安「298円弁当」に続け、と
    大手小売業での弁当低価格競争が激化している。
    これまでワンコイン弁当を展開してきた松屋銀座も、7月8日~14日まで

    399円の弁当を期間限定で販売するという。

     

    いまや専門店に限らず、スーパーやデパ地下も参入し、集客競争に拍車がかかる弁当業界。
    08年の調査ではコンビニ弁当の利用が7年間で半分に減少した、という報告も。
    コンビニの主力商品として、売上高と直結しているだけに深刻な問題といえる。

     

    そんななかで「弁当開発でヒットを連発しているチームがある」という記事を読んだ。
    コンビニ大手のファミリーマートが結成した、中高年男性社員による開発チームだ。
    40代から60代前半までの"おやじ"たちが弁当の商品開発に携わっている。

     

    メンバーは、商品開発とはまるで縁のなかった素人がほとんど。
    本来の業務とのかけ持ちでチームに参加しているというが、
    月に2回ほど行われる「おやじプロジェクト」はいつも熱気にあふれているという。
    「自分のわがままが商品に反映されるのがうれしい」と、メンバー。
    楽しみながら、プロジェクトに参加していることが伺える。

     

    3カ月ほどの時間をかけて商品化された弁当は
    素材だけでなく、季節感や見た目にも徹底的にこだわった作りが特徴。
    若い人たちにはない新しい発想で新商品を開発、発売と同時に、次々とヒットを記録している。

     

    今回お話を伺った浜島社長が語る「主体性を発揮できる」人財、現場とは、
    まさにこういうことではないだろうか。


    この開発プロジェクトに携わっているメンバー一人一人がそれぞれ意思や主体性を持ち
    生き生きと活動しているような印象を受けたからだ。

    飽和状態、競争激化にある業界に風穴を開けるのは、
    こういったエネルギーのある人財による、熱意や新しいアイディアなのだろう。


     

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