OBT 人財マガジン

2009.04.08 : VOL65 UPDATED

編集後記

  • 西川産業株式会社 "創業443年の老舗企業に学ぶ、「変えるもの」と「変えないもの」"

    「何を大切にするか」


    西川産業株式会社、代表取締役社長 西川八一行氏は、
    「社会に対して誠実・親切・共栄」という社是は変わらない不偏なものとして捉えています。

    そして、「消費者」に対してどうかということも。

    伝統は革新の連続であり
    「進化の過程の中で生き残っていくためには、ただ大きいとか賢いというだけでなく、
    変化に対応できるものだけが生き残る」という話も、ダーウィンは「種の起源」で説いています。

    生命の進化に喩える様に、西川社長は企業の進化もそれに見習い、そうでありたいと語っています。

    企業の成長に伴い、「何を大切にするか」ということはとても重要である考えの一つです。


    現実では、大切にすべきものは数え切れないくらい存在し、時代や属する人々の価値観によっても異なります。

    そして、それらを全て大切にし、それぞれの在るべき姿を叶えることは本当に難しいことです。

    しかし、全く同じ企業が2つとてないのと同様、他社と全く同じ価値観、存在意義を唱える必要もありません。

    企業のトップの信じる道、そこに属する社員の道を、自分達の会社で着実に実現していけばいいのです。

    日常の仕事をこなしていく中で、どうしても目の前のものに焦点が集中しがちですが、
    今までの軌跡や歴史には、見失っていた強みや、原点となった強い情熱が多く詰まっています。
    西川社長も、自社の443年間の歴史について、これを今後の経営において活用しない術はないという事で、
    自社の歴史に習い、自社の将来を見据えています。


    本当はこうした思いがあった、こんな姿を目指していた、こう在りたかった・・・


    これらは、創業した者から代々と受け継がれていくことで、よりその会社の揺るぎない強みになることでしょう。

    西川産業の成長の発端には、2代目の当主西川甚五郎氏が、
    江戸に向かって箱根越えをしている途中に、疲れてうたた寝をした時。

    その時の夢が、緑のつたかずらが一面に広がる風景からヒントを得て、
    蚊帳を萌黄色に染めてヒット商品を産んだことがきっかけなのだそうです。


    何かの商品や、サービス、生み出すアイディア全ては、
    何気ない日常やその人がふと思ったことを形にしたからこそ生まれる。

    アイディアとは、誰もが持っているものですが、それを形に出来るか出来ないかでは認識として大きく違います。
    実はそこが、経営戦略で生き残れるかどうかを左右する決定打にもなるかもしれません。


    世の中、何が成功かという答えがない分難しいのは事実です。
    然しながら、そこに面白味があるというのも事実なのでしょう。

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