OBT 人財マガジン
2012.03.28 : VOL136 UPDATED
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『買収』が新入社員に示唆すること
こんなに安いんだ。先日、PCを購入したときの率直な感想です。以前購入したのは約7年前。そのときの半分くらいまで価格が下がっていた事に驚きました。レノボが人的資源付きでIBMのPC部門を買収したのも7年前の2005年。同社は昨年、NECのPC事業と統合を果たし、今月には生産の一部を日本に移管させています。IBMの当事CEOルイスガースナー以外に、どれだけの人がこの様な事態を予測できたでしょう。『NEC、脱ハード急ぐ』今度はNECのアメリカの課金事業買収のニュースが飛び込む。2009年、海外のパソコン販売撤退2010年、半導体事業分離2011年、パソコン事業分離かつての主力事業に次々と見切りをつける決断から切迫感が伝わるとともに、あらためて多くの企業にとって転換期を迫られている事を認識させられます。「企業はもう、成長に時間をかけられない。時間をかけて人を育てることはしない」話は少し変わりますが、来月から企業社会に飛び立つ新社会人は、この事を働く側の意識として肝に銘じることが大事だと思います。また、受け入れる企業側はこの事を入社してから、というよりも、入社前から、はっきりと伝えた方が良いと思います。なぜ、そう思ったかと言うと、「大学や専門学校への進学者のうち、卒業・中退後に就職して正社員など安定した仕事に就いている人の割合は48%にとどまる(推計)」という政府発表を目にしたからです。背景には「大手志向の学生と、大卒人材を求める中小企業とのミスマッチ解消が進まないため」と言う話ですが、推測するに「大手=安定」という図式が、未だに学生側に多いのではないでしょうか。
その為、本当にやりたいことよりも企業のネームバリューで仕事を選んでしまう・・・。事業構造の転換、国際化、そしてM&A。「企業は成長をかけて、生き残りをかけて、急速な変化対応を迫られている。入社すれば、同じことをあなたにも求められるんですよ。本気でやれますか?」これからの日本を背負う世代がこのことを早い段階で学び、理解しておくことが、自己の成長にとっても、企業の成長にとっても必要だと思います。
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