OBT 人財マガジン
2012.01.25 : VOL132 UPDATED
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隠れた顧客心理を突く -本当に望んでいるものは何か-
― 夜チェックインして、朝出るだけだから、「ぐっすり眠れること」が最も重要で、それ以外余計なモノはいらない ―皆様はビジネスホテルを探す際、この様な事を考えていたでしょうか。顧客満足度二年連続No.1を獲得したスーパーホテル、山本会長のインタビューを読むと、"顧客自身が気づいていない""顧客にとっての"満足度と生産性(どうすることが満足できて、どうすることが生産的なのか)を具現化したことに、同社の優位性がある様に思えます。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~私の住む街は小売サービス業問わず入替わりが激しいのですが、撤退する大手ショップをしり目に、繁盛し続ける洋服店があります。顧客の目当ては店長自ら仕入れる、一点モノの商品。売れ筋ではなく、リピーター1人1人の顔を思い浮かべ、「今まで着たことないだろうけどトライして欲しい」"想定外"の商品のみを仕入れてきます。大手アパレルショップに勤めていた時代に売り手都合の販売スタイルに疑問を抱き、独立して10年、「同じ服を着ている人とすれ違うと嫌だ」「ファッション雑誌の"今年のトレンド"には飽き飽き」「いつも同じ服を買ってしまう」という顧客の隠れた心理をつき続け、今では週末になると全国からファンが集まります。働き盛りの20代~40代がコア層の為、開店は夜7時。「口コミが何よりの信頼」という手ごたえから、広告も打たず、HPすら持たない。在庫を大量に抱えない為、店舗の広さはマンションの一室程度。仕入れ-陳列-接客、という基本的なプロセスに経営資源を投入し、無駄なことは一切しない。その分、商品の価格を落とし、顧客が"想定外"の商品にトライしてくれるハードルを下げる。それがまた、顧客の"見えない"満足度をくすぐる・・・という好循環が続いた結果、ファンがファンを呼び、高い業績を維持しています。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~現代のユーザーはとかく、目が肥え、売り手以上にものごとを知っています。でも、あらゆることを一通り見聞きし、経験しているからこそ、そこには不満が生じているはずです。顧客満足と生産性の向上の両立―その実現のためには、「御客様にとってはどうすることが満足で、どうすることが生産的なのか」ということをプロとしてサジェスチョンできる能力が必要になるのではないでしょうか。