OBT 人財マガジン
2011.11.09 : VOL127 UPDATED
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変革や再生には、その業界・企業の"非常識"という眼が重要
2011年になり、交流サイト(SNS:ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のフェイスブックのアクティブユーザーが8億人を突破、9月には日本での月間アクティブユーザーが500万人を超えました。先日、このフェイスブックが就職・採用活動に活用されているという記事が載っていました。本格的な就職活動を始める前に、企業のことをよく知りたい学生。そして、自社や業務、業界のことのことを知ってからエントリーしてほしい企業。日本経団連の倫理憲章見直しで、採用に関する広報活動「解禁日」が現行の10月1日から12月1日に変更になったことにより、「空白」となった10~11月を有効利用するためにも、フェイスブックの活用が注目されているとのことでした。双方向コミュニケーションができるこのような就職活動は「ソー活」と呼ばれ、 代表的な採用媒体がフェイスブックとの連動を強化したり、フェイスブックページやアプリを制作する企業、運営のアウトソーシングを担当する企業も登場しています。とりあえずフェイスブックページを立ち上げたという企業や、その活用方法を模索している企業が多いということですが、試行錯誤しながら取り組んでいます。このように、就職・採用活動におけるこれまでの「一方通行のコミュニケーション」による問題を解決しようとする流れが活発になる一方で、就職・採用における「一方通行のコミュニケーション」はそのままで求人広告業界の常識を逆手にとった人材サービスを提供する企業が登場し、来月、東証マザーズに上場します。前期の売上高は6億3,700万円、経常利益は2億1,700万円。売上規模はまだ小さいですが、情報掲載時点で広告料が発生していた求人広告業界に成果報酬型という非常識を持ち込んだという意味では影響は大きいのではないでしょうか。その非常識を持ち込んだのは、求人広告業界や人材サービス業界の出身者ではなく、大学在学中に19歳でこの会社を設立した25歳の経営者。ダイシン百貨店の再生を果たしたのが、その中にいた人間ではなく、外からダイシン百貨店を見ていた西山社長。"風穴を開ける""何かを変える"ためには当事者ではなく、第三者の眼で企業や業界、サービスの在り方を見るということが重要なのだと改めて感じました。