OBT 人財マガジン
2011.08.24 : VOL122 UPDATED
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習慣で行っていることの目的を考え直そう
今回の「この人に聞く」で伺ったシヤチハタ株式会社のお話をきっかけに、印鑑について調べてみました。印鑑は江戸時代初期に庶民の間に普及してきたそうです。当時は自分の名前すら書けない人が多かったため、誰かに名前を代筆してもらい、そこに印鑑を押していました。つまり印鑑の意味は、印影を押した本人の意思を表すものだそうです。印鑑という文化については、台湾にもあります。日本と同じで公的文書の承認から荷物の受け取りに至るまで、印鑑が必要になります。しかし、台湾にいた時に、こういうエピソードを聞いたことがあります。台湾では通常郵便局に郵便物を受け取りに行く際には、身分証明証と印鑑ともに必要となります。ある方は身分証明証を持ち合わせていましたが、印鑑を忘れてしまい、"本人確認できない"と受け取りを断られたそうです。※都会では身分証とサインでもOKですが、田舎に行くと身分証と印鑑が必須となっています。こういった昔からのやり方は、意味があるのでしょうか。印鑑には、識字率の低さの補助という理由がありました。しかし、今は成人で名前をかけない人はいませんし、身分を証明するものもあります。例えば、前述の郵便局の場合は、写真付きの身分証明を見せており、本人であることを証明できているはずです。必要なことは、本人が確認できることで、それを達成する手段が、サインをしたり、身分証明証を見せたりしでもよいのでしょう。ここから考えられることは、今までの習慣で目的を考えずに、そのまま続けていくことが本当によいのかをもう一度考えてみるのもいいかもしれません。