OBT 人財マガジン
2011.08.10 : VOL121 UPDATED
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節電から学ぶ
『節電、節電』と騒がれて早5ケ月、巷ではこの夏を乗り切るために、と様々な昔ながらの知恵が見直されている。そんな中、ある記事を目にした。NPO法人「おばあちゃんの知恵袋の会」という団体である。そこでは、古くから伝わる日本人の知恵を継承・伝承し、健康、掃除、料理、食育、遊びなど、おばあちゃんの知恵のイベントや研究会を催しているという。それは、遠い昔一度は目にしたことがある・使ったことがあるもの、聞いたことがあるもの、また、全く聞いたことがないが"なるほど"っと思える知恵が数多くある。例えば、土鍋。煮物で使う、また、ご飯を炊く際に使うなど保温力が高いので、調理の際、使うガスも少なく、いったん温まるとなかなか冷えないため、途中で火を止めて余熱で調理ができるという。また、使い捨てカイロは中身をびんや箱に入れ、蓋を開けて冷蔵庫に入れると脱臭剤として使える。他にも、まだまだある。しかし、なぜ、こんな素晴らしい知恵が現代では薄れてきてしまっているのだろうか...。確かに、こういった知恵の中には、元々ある物に一手間加え、新たな(別な)使い方をするものや、アナログなものが多くある。その為、その一手間の時間が惜しく、忙しい現代人は完成品をついつい購入してしまう。という気持ちはよく分かる。しかし、完成品からは何も学べない。使って終わり。である。今回の節電は、忘れ去られし"日本の生活の知恵"を学ぶ、そして、知恵を身につけるいい機会なのかもしれない。また、今後の生活を考えなおす時期に来ているのだと考えずにはいられない。