OBT 人財マガジン
2011.06.07 : VOL117 UPDATED
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人は答えを欲しがる
最近の子どもたちの習い事で『そろばん』が増えてきているそうです。親御さんたちの意見としては、集中力が付く。脳の中枢神経に刺激を与えることができるため、回転も速くなる。一方で子どもたちは、親の感じ方とは異なり、計算をして答えが正解だと楽しい。とインタビューで応えていました。正解を出すことを喜ぶ子供と同様、現代の社会人にも同じことが起こっています。今、ビジネスマンの間でも数学の問題を解くというのが流行ってきているそうです。しかもインタビューによると、子どもたちと全く同じ回答で、公式にあてはめれば答えが出るということに喜びを見出しているそうです。学生時代の問題には常に答えが用意されていました。しかし、それがビジネスになると正解が無い世界になり、答えを出すまでに、公式やフレームのない、まっさらな中で1から考えなくてはいけません。また、過去とは大きく変化しているこれからのビジネス環境下では、ゼロリセットやクリエーティビティが求められます。その為、なかには答えを出すまでの過程が苦痛になり、簡単に諦めてしまったり、妥協してしまったりしてしまう方が多くいるのではないでしょうか。それが、いわゆる逃げ癖や、苦手意識を植え付けてしまうと思います。このことから、必ず答えがある数学というものに、解を求めてしまうのかもしれません。もちろん、数学の問題が悪いとはいっていません。ただ、ビジネスの答えは数学の問題とは違って1つとは限りません。出した答えが本当に正解か不正解かは長期的に見てみないと正直わからないことも多くあります。要は、1つの答えを出すまでに様々な可能性を考え、先を読み答えを出さなくてはいけません。その為、安易に出した、また誰でもが出せる答えからは新しい発想は生まれません。だからこそ、今までの枠に囚われず、回答のない問題に立ち向かっていく努力をする練習が必要なってくるのだと思います。