OBT 人財マガジン
2011.01.12 : VOL107 UPDATED
-
結束力が、"目標"を"達成"に導く
2010年を迎え、新年の抱負をたてた方も多いことだろう。明確な目標をたてず、日々の生活に追われるだけになってしまった昨年を反省し、今年は私もいくつか目標をたててみた。自分なりのスローガンをひとつ。具体的な数字を掲げた目標を4つ。常に意識できるように、と自らを律する気落ちで手帳の始めに書き出した。文字にして改めて見ると、なんだか気持ちが引き締まる。目標を常に身近に置くことで、甘えそうになる自分を奮い立たせたい。今年は悔いのない年にしたいものだ。個人だけでなく組織としての目標を掲げるところも多いことと思うが、共有の仕方は大切だと思う話があった。たとえば、ある出版関係者の例。「上からは『売れる企画をたてろ、売れる本を作れ』と言われるが、実売数は下の者には教えてもらえないんです。現場で動くのは自分たちなのに、『売れた』、『売れない』という実感がわかないから、正直危機感も持ちづらい。なんとなく疎外感を感じているのに、『社員は家族。一緒に頑張ろう!』と結束を求められても、共感は......できないですよね」。駒として扱われていると感じる社員の立場にしてみれば、駒以上の役割を期待されるのはお門違い、といったことなのだろう。業界全体が不振ということもあるが、この企業も苦戦を強いられている。一方で、あるメーカー企業の場合。毎朝の朝礼で社訓を読み上げるだけでなく、きちんと企業理念を理解できているかどうか定期的な試験も行っている。「組織としての理念や目標が明確に提示することで、全員が同じ方向を向いて走っていけるようになった」そうだ。さらには、それぞれに"役割"を与えたり、社内コンペを開くことで社員のやる気を巧みに刺激。人材を"人財"へと磨き上げ、戦力へと変えていく。この企業は、不況の最中にありながら、急成長で売り上げを伸ばし続けているそうだ。ブラッシュアップを重ねた人財が、同じ方向を向いている組織ほど強いものはない。勢いのある企業ほど強い結束力を感じてしまうのは、果たして私だけではないであろう。