OBT 人財マガジン

2010.08.11 : VOL97 UPDATED

OBTカフェ

  • 企業のあり方を街に学ぶ

    『横浜』と聞いて、皆さんはどんな街並みを思い浮かべるだろうか。異国情緒ふれる港
    町、華やかで独特な雰囲気を持つ中華街、高層ビルやモールが建ち並ぶショッピング
    タウン......。小さなエリアに、これほど特徴的な"顔"がいくつも混在する街は、日本中を
    探してもそうないだろう。この街の雰囲気は、史跡や名刹が点在する京都や鎌倉とも違
    う。新しいものであふれる、雑然とした東京の街とも違う。横浜は、歴史と革新の両方が
    絶妙なバランスを保って共存しているエリアなのだ。

    開国以来、日本の窓口として栄えてきた港町。150年という歴史が築いた美しい街並み
    は、老舗で例えるならば、守り抜いてきた誇り高き伝統だ。時の流れと共に淘汰された
    景色ももちろんあったのだろうが、横浜の街には、歴史ある風景が今も大切に遺されて
    いる。これこそが、"横浜ブランド"の礎となっているに違いない。

    多くの若者を惹きつける流行のスポットは、伝統に吹き込む新しい風といったところか。
    海外で人気のカフェやスイーツのお店が日本初進出の地として『横浜』を選ぶ例が多い
    のも、"街"としてのブランド力の強さと、新しいものを歓迎する港町ならではの開放的な
    気質が故のものだろう。

    いつ訪れても変わらない美しい街並みと、次々に登場する話題の新スポットこそが、
    人々を何度も惹きつけるこの街の魅力。街の表情をなにひとつ壊すことなく、常に進化
    を遂げていく様は、企業としてもぜひ見習いたいところだ。

    開国150周年を迎えた現在も、発展し続ける街。横浜という街のあり方は、今なお"現役"
    の老舗企業のそれと、実によく似ている。