OBT 人財マガジン
2010.02.24 : VOL86 UPDATED
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クレーム対応でわかる企業の質
先日、生まれて初めて"クレーム"メールというものを出した。
友人の誕生日パーティに、と随分前からネット通販でケーキを予約していたのだが、
注文画面で見た商品とは似ても似つかないほど崩れたものが届いたのである。
返品・再送をお願いする時間もなかったので、仕方なくそれを食べることにしたのだが
せっかくのお祝いムードが台無しになったような気がして
「楽しみに待っていた商品だっただけに、とても残念でした」と素直な気持ちを先方に送信した。
しかし、待てど暮らせど、返事が来ない。
最初は、「次は気をつけてくださいね」ぐらいの、軽い報告程度のつもりでいたのだが、
連絡を待っている間に、徐々に怒りのような気持ちがこみ上げてきた。結局、丸一日以上かかって先方から連絡が届いたものの、
「商品の状態が悪かったのは配送時の影響かと思われます」といった誠意のない文面やタイトルにひと言書かれた「ご連絡ください」など、端々に見える乱暴な
言葉遣いにこれが有名店と呼ばれる店の対応なのか、と正直がっかりしてしまった。
代金は返してくれることになった。
味も決して悪くない。
ケーキが崩れたのは、確かに業者の配送ミスなのだろう。
しかし、このお店をまた利用したいか、と問われれば、私は迷わず「NO」と答えたい。400を超える店舗がありながら、クレームの数は全店で月に50~80件程度という
幸楽苑。
クレームをきっかけに、逆に幸楽苑のファンにしてしまうぐらいの対応を目指す、と同社の新井田社長は語る。
相手の気持ちを静めるだけでなく、さらにプラスの印象を抱かせる――
要はどれだけ素早く、誠意を持ってこれに対応できるか、ということだ。もちろん、頭で考えるほど簡単なことではない。
数百という全ての店舗において、その教育が末端まで行き届いている幸楽苑は、
やはり "さすが" と言わざるを得ないのである。