OBT 人財マガジン
2009.10.14 : VOL77 UPDATED
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その目的は、何か
いつもと変わらない通勤電車の風景。目の前で必至に英語の問題集を解いている女の子がいました。テストの日なのでしょうか、それとも今日の宿題でしょうか。
とにかく満員電車の中で、立ちながら、その問題集とにらめっこをしていました。「どんな思いで、解いているのだろう」
そんな事を考えながらふと、自分の学生時代を思い起こしました。
授業では毎日新しい事を教わり、宿題を与えられ、そしてテストに臨みました。「なぜ、今この勉強をしているのだろう」
当時の自分は、こんな疑問すら自分には投げかけなかったように思います。
そして今、必至で問題集と向き合っている多くの学生の中でも同じことが言えるのかも知れません。インドの成長について書かれた書籍の中で、インド工科大学の試験内容について記載された一文がありました。
問題数は3問のみ、回答時間は3時間。
その試験の採点の基準は、「自分の考えがどれだけ論理立てて述べられているか。」考える学生はもちろんのこと、採点する教授にとっても大変です。
試験が終わって、回答を見返そうとしても、本当の意味での回答は自分自身の中にしかありません。
この能力がビジネスにおいても重要であると位置づけている同大学は在学中に徹底的にこの姿勢を身につけさせるそうです。
既にある解を覚えるのではなく、自分なりの解を生み出す力。
何十倍という倍率を勝ち抜いて同大学へ入学した学生たちは
国の将来を背負っているという責任感を持って日々の学習に臨んでいるとのこと。
全ては国の発展と、自己成長の為。
大学入学はその目的達成の為のひとつのステップだと言い切ります。かつての自分はどうだったのか。そしてこれからの自分はどうなのか。
学校教育の在り方、という観点ももちろんありますが、それぞれの学生と重ねる中
自分なりの解を迫られたように感じました。
これからの企業人の優秀さとはまさに、正解の無い課題に対していかに的確な解答を示せるかなのだと思います。
変化の時代とともに、「優秀さの定義」も大きく変わっていることは、間違ありません。