OBT 人財マガジン
2009.07.08 : VOL71 UPDATED
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変えていいもの 変えてはいけないもの
‐変えていいものと変えてはいけないものを明確に‐
今回、コラム「この人に聞く」にご登場頂いた、
株式会社壱番屋 代表取締役社長 浜島氏のインタビューの中でこの様な言葉があった。創業の精神と会社の理念は変えないが、それ以外はゼロベースで考え直したという。
人は本来、変化が嫌いな動物。人が成す組織も企業も同様である。
自覚をしなければ過去の経験則という慣性に沿って時間だけが過ぎていく。
そして、外部環境だけが信じられないスピードで変わっていく。先日ある新聞記事に目を奪われた。
「ウォークマンという名前を冠した商品をやめてはどうか」ソニーではこの様な議論がなされ、i-podを追撃するために現在新たな商品開発に取り組んでいるという。
過去との決別をより一層迫られる事態は、何もソニーだけに特別起きているのではなく
間違いなく、どの企業にも同様に起こりつつあるのでは、と感じた。
‐「トンネルを抜けると雪国であった」という小説の通りなら、
春が来れば草木がまた生えてくるだろうが、この先はトンネルを抜けたら「北極」と考えた方が良い。
スキやクワを捨てて、弓矢をとってアザラシを追わなくてはだめだ‐今の経済状況を旭化成の蛭田史郎社長はこの様な言葉で表現している。
企業も、そこに所属する人も、これから先を生き抜いていくためには
‐変えていいもの 変えてはいけないもの‐ そして ‐変えなくてはいけないもの‐
これらをより一層の覚悟を持って決断しなければならないのではないだろうか。
変えていいもの 変えてはいけないものを改めて思い知らされる重みの言葉である。