OBT 人財マガジン
2009.03.11 : VOL63 UPDATED
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"無駄"の有効利用
輸送コストの削減策として、
「共同配送や共同輸送に取り組む企業が増えている」という記事を読んだ。これまで別々に配送していたものを一括配送する
――といっても、同一社内に限ってのことではない。
たとえばキリンビールやサッポロ、
資生堂やカネボウ、コーセーなど
競合他社との共同配送も、今ではよくある話なのだそうだ。同じ納品先に配送するのであれば、なるほど確かに効率がいい。
経費削減のことを思えば、ライバルとの共同策も
"背に腹は替えられぬ"といった状況なのだろうが
企業の経済的な負担だけでなく
環境的にも非常によい策なのではないかと思ってしまう。最近では異業種間での共同輸送も行われているそうだ。
パナソニックがコンテナでテレビを宇都宮から大阪へ運び、
復路は住友電工が電線材料を載せて、宇都宮の電線工場まで配送する。
空っぽになった復路のコンテナが見事に有効活用されている。競合他社との共同作業――これぐらい奇抜な策でもよいのではないか。
合理化されたコストや労力は、サービスの向上や開発に費やせばよい。
ライバル云々と小さなことを言っていては
企業の未来のためにも、地球の未来のためにもならないのである。