OBT 人財マガジン
2009.02.12 : VOL61 UPDATED
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100年に一度の危機かチャンスか
経営破綻や派遣切りなど、景気低迷による暗いニュースが飛び交う昨今。
「100年に一度の経済危機」と騒がれているが、東京ディズニーリゾートを経営する
オリエンタルランドの業績は、不況をものともしない好調ぶりだ。
1月末の「2000人・大量雇用」発表からも、その勢いが伺える。3月期の連結決算は、売上高3852億円、純利益208億円、
純利益は前期比41%増で、売上高ともに過去最高となる見通し。
年間入園者数も過去最高の2710万人に達する見込みだという。今年度の開園25周年を前に
昨年夏には「東京ディズニーランドホテル」、
秋には常設劇場「シルク・ドゥ・ソレイユ シアター東京」を開業。アニバーサリーイベントの展開や限定グッズの販売などが入園者数増加の大きな要因か、
と思いきや地方からの集客アップにはディズニーキャラクターによる全国行脚などの
プロモーション活動が大きく貢献したといわれている。"天下のオリエンタルランド"が
陰ながら地道な営業活動に奔走していたとは頭が下がる。リピーター率90%以上を誇る"夢の国"ディズニーリゾート。
子どもの頃から変わらない演出に懐かしい思い出を重ね、
訪れる度に装いを変えるアトラクションに胸を高鳴らせる――。
「何度でも来たい」「何度来ても飽きない」と思わせる
ディズニーリゾートの魅力は、そんなところにあるようだ。今回お話を伺った橋本氏が理事長を務める「横浜市緑の協会」は
公園や動物園などの施設の管理運営を手掛ける財団法人。
公益性の高いサービスを手掛けるという点でオリエンタルランドとは異なるが
魅力ある施設づくりのために事業計画を練り、
集客アップに尽力するという点では同じものを感じる。レジャー施設が軒並み業績不振にあえぐ中、
"攻め"の姿勢を貫き通したオリエンタルランド。
地道な活動と攻める姿勢を忘れずに
市場のニーズに的確に応えていけば
100年に一度の経済危機も
100年に一度のビジネスチャンスに
変えることができるのかもしれない。