OBT 人財マガジン
2009.01.14 : VOL59 UPDATED
-
既成概念にとらわれず・・・
最近、しばらくぶりに「ラーメンの食べ歩き」を再開した。
駅から離れた閑静な住宅街に突如として現れる大行列には何度遭遇しても驚かされる。昼食を食べるために朝から列を作る人。寒空の下、数時間以上も並び続ける人。
一日数軒のはしごは当たり前。
他の食べ物では、ちょっと考えにくいがとにかく、ラーメン好きの"執念"はすごいのである。
結局、私もその行列に加わってしまうのだが――。
先日、ある有名店が新店をオープンしたと聞き、早速足を運んでみた。
待ち時間は1時間弱。出てきたつけ麺に、思わず感心してしまった。表面に"焼き目"をつけた香ばしい麺。
それは、"すする"という、麺の概念を覆すものだったがパリパリとした焼き目が、
風味・食感共に実にいいアクセントとなっていたのである。
「なるほど、こんな食べ方があったのか」
ちょっと前までは、つけ麺自体がラーメンの概念を打ち破る"新ジャンル"であったのに。
ここ数年で定着した"スープオフ"という新カテゴリーのラーメンをご存知の方も多いだろう。
――新しい発想、どこにもない味、革命に次ぐ革命。
ラーメン業界には、常に新しい風が吹き込んでいる。
だからこそ、各店の唯一無二の一杯を求めて遠くても、寒くてもファンは行列を作るのだ。
あるラーメン店の店主がこんなことを言っていた。
「ラーメンとは、答えの出ない永遠のテーマ。"これ"という正解がないから、おもしろい」と。
同じことを繰り返していても、いつかは飽きられる。
新しいアイディアを取り入れ常に刺激を与え続けてきた各店舗の努力が
近年のラーメン人気を支えてきたのだろう。
それは歯科医院でも、企業でも同じこと。
既成概念にとらわれずに高みを目指す姿勢こそが人々の心に響いていくに違いない。
現状維持で勝ち続けることなど、きっとできないのである。